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マニュアルの意味とは?作成ポイントや手順をわかりやすく解説!

最終更新日:2025年6月20日

「あの人に聞かないと業務が進まない」「人によって作業品質がバラバラで困る」「新入社員の教育に時間がかかりすぎる」。こんな課題を抱えていませんか? 業務の効率化や品質向上を実現するために欠かせない「マニュアル」。しかし、その本質的な意味や効果的な活用方法について、正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。

本記事では、マニュアルの基本的な概念から、作成のポイント、メリット・デメリットまで、実務で役立つ情報を分かりやすく解説します。この記事を読めば、誰でも迷わず同じ品質で業務を進められるマニュアル作りのコツが分かり、新人教育の効率化や組織全体の生産性向上につなげることができます。マニュアルを通じて組織力を高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

【この記事を読んでわかること】

  • マニュアルとは? (手順書・説明書との違いも明確に)
  • マニュアルの種類
  • 失敗しない!マニュアル作成のポイントと注意点
  • マニュアルを作成するメリット(具体的な効果)
  • マニュアルを作成するデメリットとその対策
  • おすすめのマニュアル作成ツール

マニュアルとは?手順書や説明書とどう違う?

ビジネスで頻繁に目にする「マニュアル」。でも、その本当の意味や役割をきちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。

手順書や説明との違いを簡単にまとめると、以下のような特徴があります。

  • マニュアル:業務全体の目的、背景、手順、判断基準、ノウハウなどを網羅
  • 手順書:特定の作業の具体的なステップ(How)に焦点
  • 説明書:製品やシステムの機能や操作方法(What, How)に焦点

マニュアルとは、仕事の手順やシステムの使い方などを体系的にまとめた文書のことであり、単なる手順書ではありません。その本質は、業務の「標準化」を通じて「品質の維持・向上」「業務効率化」「ナレッジ共有」「教育コスト削減」「リスク管理」といった目的を達成するための重要な経営ツールです。特に企業での業務においては、さまざまな作業を滞りなく進めるために必要不可欠な存在となっています。

マニュアルには、日々の事務作業の進め方や、新しく入った社員への研修内容、作業の流れ、仕事を進める際の考え方といった情報が含まれます。これらの情報は、組織の中で共有され、経験やスキルに関わらず、みんなが同じ基準で仕事ができるようにする役割を果たしています。

たとえば、カフェでアルバイトをする際には、接客の仕方やドリンクの作り方などが細かく書かれたマニュアルがあります。これによって、お店のサービスの質が保たれ、お客さまに安定したサービスを提供できます。

このように、マニュアルは私たちの仕事をスムーズにし、質の高い成果を生み出すための大切なツールといえるでしょう。

手順書との違い

ピースを入れ込む人々

「マニュアル」と「手順書」。似ているようで実は異なるこの2つの文書について、その違いをわかりやすく解説します。

手順書は、ある作業のやり方を具体的に示したものです。たとえば、お菓子作りのレシピのように、「最初に何をして」「次は何をする」といった一連の流れが詳しく書かれています。誰が見ても迷わず、同じ手順で作業を進め、同じ結果が得られることを目指して作られるのが特徴です。

具体例を挙げると、Webデザインの手順書には「使うソフトの設定方法」「画像サイズの指定」「配色の決め方」など、細かい情報まで書かれています。業界によっては「作業手順書」「標準作業手順書(SOP)」など、呼び方は違っても、その目的は同じです。

一方、マニュアルは手順書よりも広い範囲の情報を含みます。作業手順(How)だけでなく、その作業の目的や背景(Why)、企業としての方針や判断基準、さらには社内に蓄積された知識やノウハウ、暗黙のルールなども含めて、社員全員で共有し、組織全体のパフォーマンス向上や成長を支援する役割があります。

つまり、手順書は「この作業をどうやるか」を示すもの、マニュアルは「なぜそうするのか」「企業や組織としてどう考えるのか」といった背景や全体像も含めて示すものと言えるでしょう。

両者の特徴を理解して使い分ければ、より効率的な業務運営が可能になります。

説明書との違い

新しい機器を買ったときに必ず目にする「説明書」。一見マニュアルと似ているように思えますが、実は大きな違いがあります。ここでは、その違いについて分かりやすく解説します。

説明書は主に、機器やソフトウェアの使い方を説明するために作られています。たとえば、スマートフォンに付いてくる説明書には、電源の入れ方や各種設定方法、困ったときの対処法などが細かく書かれています。つまり、その製品の「使い方」(操作方法)に焦点を当てた文書です。

一方、マニュアルはもっと幅広い内容を含んでいます。作業の手順はもちろん、仕事を進める上での決まりごとや、知っておくべき知識なども含めて総合的にまとめられています。さらに、単なる操作方法だけでなく、その機能を使うことでどのような効果が得られるか、どのような場面で活用すべきかといった「活用方法」や「ベストプラクティス」まで踏み込むことがあります。

分かりやすい例を挙げると、パソコンの説明書は「この機能はこうやって使います」という内容ですが、マニュアルは「この機能をこんな場面で活用すると効果的です」といった、より実践的な情報まで含んでいるのです。

このように、説明書は「操作方法」を、マニュアルは「業務における活用方法」を中心に書かれているという違いがあります。それぞれの特徴を理解して上手に活用すれば、より効率的に仕事を進められるでしょう。

マニュアルの種類

マニュアルは

  • 業務マニュアル
  • 操作マニュアル

に大きく分かれます。次から、それぞれについて具体的に解説していきます。

業務マニュアル

業務マニュアルは、日々の仕事の流れや手順、気をつけるべきポイントなどをまとめた文書です。経験やスキルに関わらず誰もが、迅速に、かつ安定した品質で誰もが同じ品質で仕事ができようになるのを目的に作られています。

たとえば、お客さま対応の業務マニュアルには、新入社員でもベテラン社員と同じように対応してもらうため、電話の受け方から問い合わせへの返答例まで細かく記されています。

特に大切なのは、企業の理念や方針に沿って作られているという点です。単なる手順書ではなく、「なぜそのようにするのか」という理由も含めて説明されており、社員全員の目指すべき方向性が明確で、足並みを揃えて業務に取り組めるようになります。

このように業務マニュアルは、仕事の正確さとスピードを高めるだけでなく、企業全体のサービス品質を向上させる重要なツールとなっています。実務との関連が深く、ビジネスの現場で最も活用されているマニュアルの一つと言えるでしょう。

操作マニュアル

パソコンやスマートフォン、社内システムなど、私たちの仕事には様々な機器やツールが欠かせません。「操作マニュアル」は、それらを正しく使いこなすための道しるべとなる大切な文書です。

操作マニュアルは、その名の通り、システムや機械の使い方を説明するための文書です。特徴的なのは、初心者でも理解できるよう、わかりやすい言葉で書かれているという点です。

たとえば、新しい経理システムの操作マニュアルでは、「はじめに画面右上のボタンをクリックします」といった具合に、一つひとつの動作が順を追って説明されています。システムを初めて使う人でも、安心して作業を進められるのです。

大切なのは、読んだ後に実際の操作ができるようになる点が重要です。いくら分厚いマニュアルでも、読み手が使い方を理解できないのでは意味がありません。そのため、操作マニュアルは「読みやすさ」と「実用性」のバランスを重視して作られています。

ただし、中には「とりあえず全部書いておこう」という姿勢で作られた、わかりにくいマニュアルも存在します。そういったマニュアルは、かえって操作ミスや事故のもとになりかねません。

良い操作マニュアルは、初心者の目線に立ち、必要な情報を必要なタイミングで提供できる、まさに「親切な先生」のような存在なのです。

マニュアル作成のポイント

point

ここからは、日々の業務をスムーズに進めるために欠かせない、業務マニュアルを中心に見ていきましょう。みなさんは業務マニュアルを作るとき、どのような点に気をつけていますか? 効果的なマニュアルを作るには、いくつかの重要なポイントがあります。

  • 目的とターゲットを明確にする(Why、Who)
  • 作業内容を明確にする(What, Where, When, How) – 5W1Hの活用
  • 一目でわかる構成と表現を心がける
  • 作業の全体像がわかるようにする
  • 読み手のレベルや状況を考えて作成する

このように、効果的なマニュアルづくりでは、読み手の立場に立って考えることが重要です。これらのポイントについて、次から詳しく解説していきます。

目的とターゲットを明確にする(Why、Who)

まず最初に、「誰が、いつ、どんな状況で、何のために読むマニュアルなのか」を明確に定義しましょう。ターゲット読者の経験レベル(新人、中堅など)、ITリテラシー、業務知識を想定することで、記述の粒度や専門用語の使用レベルが決まります。(例:新人向けなら専門用語には注釈をつける、基本的な操作から説明するなど)

このマニュアルを読むことで、読者に「どうなってほしいのか」(例:一人で〇〇の作業を完遂できる、△△の判断ができる)というゴールを設定します。

作業内容を明確にする(What, Where, When, How) – 5W1Hの活用

業務マニュアルを作る際に、とても役立つ考え方があります。それが「5W1H」です。この手法を使うと、必要な情報を漏れなく、わかりやすくまとめられます。

「5W1H」は「誰が(Who)・いつ(When)・どこで(Where)・何を(What)・なぜ(Why)・どのように(How)」という6つの視点から物事を考える方法です。たとえば、新しい接客マニュアルを作るとき、以下のように整理できます。

  • Who(誰が):新入社員やアルバイトスタッフ
  • When(いつ):お客さまが来店されたとき
  • Where(どこで):店舗の入り口付近
  • What(何を):あいさつや案内
  • Why(なぜ):お客さまに気持ちよく過ごしていただくため(目的の明確化)
  • How(どのように):笑顔で明るく「いらっしゃいませ」と声をかける、アイコンタクトを忘れずに

このように「5W1H」を意識してマニュアルを作ると、読み手は自分の役割や仕事の意味をはっきりと認識しやすくなります。また、業務の手順も順序立てて説明できるため、迷いなく仕事を進められるようになります。

マニュアルづくりで悩んだときは、まず「5W1H(特にWhyとHow)」で情報を整理してみましょう。きっと、作業の全体像がつかみやすくなるはずです。

一目でわかる構成と表現を心がける

業務マニュアルは、必要な情報をすぐに見つけられることが大切です。特に忙しい現場では、素早く確認しやすい構成が求められます。では、どうすれば見やすいマニュアルが作れるのでしょうか。

  • 目次をつけて情報を整理する
    • マニュアルの最初に目次をつけることで、どこに何が書いてあるかが一目瞭然になります。探したい内容にすぐにたどりつけるので、作業の効率が上がります。長いマニュアルの場合は、章ごとにも簡単な目次があるとさらに便利です。
  • 視覚的な工夫を取り入れる
    • 文字ばかりの説明では、重要なポイントが見落とされやすくなります。以下のような視覚的な工夫を取り入れてみましょう。
      • 重要な部分は太字や色を変える、囲み枠を使う
      • 見出しは大きめの文字にする、階層をわかりやすくする
      • 手順や画面操作は、言葉だけでなく 写真や図、スクリーンショット、フローチャート を効果的に使う(図や画像には必ず「キャプション=説明文」をつけましょう)
      • 手順や注意点、構成要素などを箇条書きや番号付きリストを活用して情報を整理する
      • 適度な余白をとることで、圧迫感をなくし読みやすくする
  • 文章は「一文を短く、具体的に」書くことを意識する
    • 専門用語や社内用語は避けるか、必ず注釈をつけます。
    • 「〜だと思われる」「〜かもしれない」といった曖昧な表現は避け、断定的に記述します。
    • 主語と述語を明確にし、誰が読んでも同じ意味に解釈できるようにします。

なおデザインを派手にしすぎると、かえって読みにくくなってしまいます。シンプルで見やすい構成を心がけましょう。

このように、常に読み手の視点に立って情報を整理し、表現を工夫することで、誰もが理解しやすいマニュアルを作成できます。作業ミスの防止にもつながり、業務の質の向上が見込めるでしょう。

作業の全体像がわかるようにする

マニュアルづくりで見落としがちなのが、作業の全体像の提示です。個々の手順を詳しく説明するのはもちろん大切ですが、その作業が全体の中でどんな意味を持つのかを理解してもらう点も重要です。

  • なぜ全体像が必要なのか
    • 作業の意味や価値を正しく理解するには、その仕事が全体の中でどんな役割を果たしているのかを知る必要があります。たとえば、データ入力という作業一つをとっても、その先にどんな工程があり、最終的にどんな成果につながるのかがわかると、より慎重に責任感を持って、取り組めるようになります。また、自分の作業が後工程にどう影響するかが分かれば、より質の高い仕事を目指す意識も生まれます。
  • 全体像を示す方法
    • 業務の流れを見やすく伝えるには、フローチャートの活用がおすすめです。以下のような情報を盛り込みましょう。
      • 対象業務の開始から終了までの流れ
      • 作業の前後の工程
      • 関連する部署や担当者との関わり
      • この作業が滞った場合の影響
      • 期待される成果物やKPI

このように全体像を示すことで、担当者は自分の仕事の重要性を実感できます。また、問題が起きたときも、どこに相談すればよいかがわかりやすくなります。

作業の意味を理解することで、より責任を持って仕事に取り組めるようになるはずです。

読み手のレベルや状況を考えて作成する

マニュアルづくりで最も大切なのは、読み手への配慮です。どんなに詳しい内容でも、相手に伝わらなければ意味がありません。では、どうすれば読み手に寄り添ったマニュアルが作れるのでしょうか。

  • 読み手のレベルを見極める
    • 新入社員向けのマニュアルと、ベテラン向けのマニュアルでは、説明の細かさが変わってきます。たとえば、新入社員向けなら以下のような配慮が必要です。
      • 社内用語や専門用語の説明を加える、または平易な言葉に言い換える
      • 「当たり前」と思えるような基本的な操作手順も省略しない
      • 具体的な操作例や画面キャプチャをたくさん入れる
      • 想定されるエラーとその対処法を記載する
  • 客観的な視点を持つ
    • ベテラン社員がマニュアルを作る場合、「これくらい知っているはず」という思い込みが生じやすくなります。そのため、以下のポイントに気をつけましょう。
      • 自分にとっては 当たり前と思う内容も丁寧に説明する
      • 専門用語は分かりやすい言葉に置き換える
      • 必ず第三者にレビュー(校閲)してもらいましょう。作成者以外の視点、できればターゲット読者に近い人に読んでもらい、わかりにくい点や不足している情報がないか、実務と乖離していないか意見をもらうことが非常に重要です。
      • 可能であれば、複数人にレビューを依頼すると、より客観的なフィードバックが得られます。

このように、常に読む人の立場に立って考えることで、より使いやすいマニュアルを作成できます。相手の理解度に合わせた説明を心がけましょう。

【Tips】テンプレートを活用して効率化・標準化する

毎回ゼロから作成するのではなく、WordやExcel、あるいはマニュアル作成ツールのテンプレートを活用しましょう。フォーマットが統一されることで、作成効率が上がるだけでなく、読む側にとっても構成が理解しやすくなり、読みやすさが向上します。

マニュアルを作成するメリット

MERIT

マニュアルの作成は、手間のかかる作業に思えるかもしれません。しかし、きちんとしたマニュアルがあることで、企業には大きなメリットがもたらされます。ここでは、その具体的な効果について、以下の点から見ていきましょう。

  • 業務品質が安定する
  • 業務効率を上げる
  • 業務の属人化を防ぐ
  • 教育コスト削減につながる

業務品質が安定する

マニュアルの最も大きな効果は、業務の品質が安定する点です。具体的には、以下のような利点があります。

  • 誰が担当しても同じ品質を保てる【具体的な成果:顧客満足度の向上、クレーム削減】

作業の手順が明確になっているため、個人の経験や勘に頼る必要がありません。新人もベテランも、同じレベルの仕事ができるようになります。

  • ムダな時間を減らせる【具体的な成果:作業時間の短縮、残業時間の削減】

自分で手順を考える必要がないため、効率よく作業を進められます。また、迷いが生じたときも、すぐに確認できます。

  • ミスを防げる【具体的な成果:手戻り工数の削減、損失リスクの低減】

作業上の注意点や重要なポイントが明確になっているため、うっかりミスを防げます。特に複雑な作業では、その効果が顕著に表れます。

このように、マニュアルは会社全体の生産性を高める重要なツールです。手間を惜しまず、しっかりとしたマニュアルを作ることが、業務の品質向上に結びつくのです。

業務効率を上げる

マニュアルの大きな特徴の1つに、業務効率の向上が挙げられます。適切に作られたマニュアルは、仕事の進め方を改善し、会社全体の生産性を高められます。具体的にどのような効果があるのか、見ていきましょう。

  • 時間の有効活用【具体的な成果:コア業務への集中、生産性向上】

マニュアルがあることで、以下のような時間の節約が可能になります。

  • 作業の手順を調べたり考えたりする時間が省ける
  • 不明点を質問したり、確認したりする回数が減る
  • 中断なく、 次の作業にスムーズに移行できる
  • ノウハウの共有【具体的な成果:組織全体のスキル底上げ、早期戦力化】

会社に蓄積された経験やコツを、以下のような形で共有できます。

  • ベテラン社員の経験や暗黙知の形式知化
  • トラブル対応の方法や過去事例を伝えられる
  • 効率的な作業のコツや注意点を共有できる
  • 応用力の向上【具体的な成果:業務改善の促進、イノベーション創出】

基本的な手順が明確になることで、以下のような効果も期待できます。

  • 既存業務における作業の改善点が見つけやすい
  • 基本を押さえた上で、新しい方法を試す余裕が生じる
  • チーム全体のスキルアップにつながる

このように、マニュアルは単なる手順書ではなく、会社の成長を支える重要なツールとなります。みんなで知恵を出し合い、より良いマニュアルを作っていきましょう。

業務の属人化を防ぐ

「この仕事は○○さんしかできない」—こんな状況は、会社にとって大きなリスクとなります。これが「業務の属人化」と呼ばれる問題です。マニュアルは、この属人化を解消する効果的な手段となります。

  • 属人化がもたらすリスク【具体的な影響:業務停止リスク、引継ぎコスト増大、顧客対応遅延】

特定の人にしか仕事ができない状態では、以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 担当者が休むと業務が止まる
  • 異動や退職時の引き継ぎに時間がかかる、または引き継ぎが不十分になる
  • お客さまへの対応が遅れる、品質が低下する
  • マニュアルによる解決【具体的な効果:業務継続性の確保、引継ぎ時間の短縮、安定したサービス提供】

きちんとしたマニュアルを整備することで、以下のような効果が見込めます。

  • 誰でも一定レベルの仕事ができる
  • 急な欠勤や担当者変更にも対応可能
  • 担当者が変わっても引き継ぎ業務がスムーズに
  • チーム力の向上【知識共有の促進、課題発見による改善、一体感の醸成】

マニュアルづくりを通じて、以下のような副次的な効果も生まれます。

  • メンバー間での知識共有が進む
  • 業務の改善点が見つかる
  • チームの結束が強まる

このように、マニュアルは会社の安定した運営を支える重要な基盤となります。みんなで使いやすいマニュアルを作り、より強い組織を目指しましょう。

教育コスト削減につながる

新しい社員の育成には、多くの時間と手間がかかるものです。しかし、効果的なマニュアルを活用することで、教育にかかるコストを大きく軽減できます。どのような効果が得られるのか、具体的に見ていきましょう。

  • 自主学習の促進【具体的な効果:OJT時間の削減、教育担当者の負担軽減】

マニュアルがあることで、以下のような学習環境が整います。

  • 好きな時間に自分のペースで学べる
  • 理解できるまで繰り返し確認できる
  • コミュニケーションの改善【具体的な効果:質問しやすい環境、心理的安全性向上】

従来の教育方法に比べ、以下のような利点があります。

  • 基本的なことはマニュアルで確認できるため、より本質的な質問をするハードルが下がる
  • 教える側の先輩社員の負担が減る
  • 教える側の時間的余裕が生まれる
  • 学習効果の向上【具体的な効果:知識・スキルの均質化、早期習熟】

マニュアルを活用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 理解度のばらつきが減る
  • 予習・復習がしやすい
  • 知識の定着が早まる

このように、マニュアルは新人教育の強い味方となります。特に今のような働き方が多様化する時代には、マニュアルを活用した教育の仕組みづくりが重要になってきています。

効果的なマニュアルを整備すれば、教える側も教わる側も、より快適に学びを深められる環境を作れます。結果として、教育にかかる時間や労力といったコストを大幅に削減できます。

マニュアルを作成するデメリット

注意

ビジネスの現場でよく活用されるマニュアルですが、作成や運用には様々なデメリットもあります。

具体的には、

  • スタッフのモチベーション低下を招く恐れ
  • 作成にかかる時間とコスト
  • 過度な標準化による柔軟な対応力の低下
  • 定期的な更新の手間

といった問題点が挙げられます。

これらの課題に対しては、適切な対策を講じれば解決できます。マニュアル導入の際は、メリットとデメリットを比較検討し、自社に合った方法を選ぶことが重要です。デメリットについて、次から詳しく解説していきます。

モチベーションの低下につながる恐れがある

マニュアルの導入により、業務の標準化は進みますが、意外な落とし穴があります。それは、スタッフのモチベーションの低下です。

決められた手順通りに仕事を進めることで、自分で考える機会が減ってしまいます。その結果、仕事への意欲が低下し、業務の質が下がってしまう危険性も。「指示待ち人間」を生んでしまう可能性もあります。

この問題を解消するには、以下の対策が効果的です。

  • スタッフの意見を積極的に取り入れる
    • たとえば、業務改善の提案を募ったり、マニュアルの作成や更新プロセスに現場のスタッフに 参加してもらったりすることで、主体的な関わりを持ってもらえます。
  • マニュアルを「思考停止」の道具にしない
    • マニュアルはあくまで基本であり、より良い方法があれば改善提案を歓迎する文化を醸成します。
    • 定期的な見直し会議を実施し、現場の声を反映させます。

マニュアルは、あくまでも業務をスムーズに進めるためのツールです。従業員の自主性を活かしながら、上手に活用することが大切です。

作成に時間とコストがかかる

マニュアルの作成には、想像以上の時間がかかります。業務の内容を整理し、関係者と確認を重ね、文書にまとめていく作業は、とても手間のかかるものです。

特に、忙しい業務と並行してマニュアルを作る場合、完成までに多くの時間を要します。この課題を解決するには、2つのポイントがあります。

  1. 対象を限定してスモールスタートで始める
    1. まずは影響範囲の大きい業務や、頻繁に質問が発生するような 簡単な業務について大まかなマニュアルを作り、試験的な使用をおすすめします。完璧を目指さず、まずは作ってみて改善していくアプローチが有効です。
  1. ITツールの活用
    1. 最近は、マニュアル作成を支援する便利なツールが数多く開発されています。テンプレート機能や共同編集機能などを活用すれば、作成の手間を大幅に削減できます。

柔軟な対応ができなくなる恐れがある

マニュアルの導入により、思わぬ問題が生じることがあります。それは、従業員の対応が融通の利かないものになってしまう点です。

具体的には、マニュアルに書かれていない事態が発生した時に、適切な対応ができなくなるケースがあります。また、「マニュアルにない」ことを理由に、必要な行動や臨機応変な判断を避けてしまうケースも見られます。

この問題を防ぐには、以下の2つが重要です。

  • マニュアルには、手順だけでなく、仕事の意義や心構えも含める
    • 「なぜこの作業が必要なのか」「どのような状況で、何を優先して判断すべきか」といった原則を示すことで、応用力が身につきます。
  • 柔軟な発想や提案を歓迎する職場づくりを心がける
    • マニュアルは絶対的なルールではなく、状況に応じて最適な判断をすることが重要であるという認識を共有します。
    • イレギュラーな事態への対応事例を蓄積し、共有する仕組みを作ることも有効です。

つまり、マニュアルは「考えないための道具」ではなく、「より良い仕事をするための指針・拠り所」として活用することが大切です。

定期的な更新が必要になる

マニュアルは、作って終わりではありません。時代の変化や業務の進化に合わせて、内容を見直していく必要があります。

定期的な更新を怠ると、古い手順や非効率な方法が残ってしまい、かえって業務の足かせになる可能性もあります。しかし、すべてのマニュアルを一度に見直すのは、大きな負担となります。

このデメリットへの対策として、以下の点を意識して「継続的な改善サイクル」を確立することが重要です。

  • 優先順位をつけて段階的に進める
    • 影響度の高いマニュアルや、変更頻度の高い業務のマニュアルから優先的に見直します。
  • 現場の意見を取り入れながら更新する
    • 実際に業務を行っている従業員からのフィードバックが最も重要です。マニュアル利用者から「使いにくい点」「わかりにくい点」「実態と合わない点」などを定期的にヒアリングする仕組みを作りましょう。
  • 無理のないペースで継続的に実施する(見直し時期の明確化)
    • 一度に全てを見直そうとせず、「最低でも年1回」や「業務プロセスに変更があった際」など、定期的な見直し時期や担当者を明確にし、計画的に実施するルールを確立します。
  • バージョン管理を徹底する
    • 「いつ」「誰が」「どこを」「なぜ」更新したのか、改訂履歴を必ず記録しましょう。 変更内容の追跡や関係者への周知が容易になり、古い情報との混同を防げます。
  • 保管場所を明確にし、周知・アクセスしやすくする
    • 更新された最新のマニュアルがどこにあるのか、誰でも簡単にアクセスできるように、保管場所のルールを定め、全従業員に周知徹底しましょう。

マニュアルの更新は手間のかかる作業ですが、業務の質を保つために欠かせません。計画的に、かつ継続的に取り組むことで、常に「使える」状態のマニュアルを維持し、その効果を最大限に引き出すことができます。

おすすめのマニュアル作成ツール

マニュアル作成を効率化し、効果的な運用をサポートするツールは数多く存在します。ここでは、ツールを選ぶ際のポイントと、おすすめのツールを3つご紹介します。

【おすすめツール】

  • DocBase
  • NotePM
  • Stock

【マニュアル作成ツールの選び方のポイント】

  • 目的との合致: どのような種類のマニュアル(業務、操作、FAQなど)を作成したいか?
  • 機能: 編集機能(リッチテキスト、Markdown、動画埋込など)、検索機能、テンプレート、閲覧権限設定、更新通知、分析機能など、必要な機能は揃っているか?
  • 使いやすさ: ITに不慣れなメンバーでも直感的に操作できるか?
  • 共有・共同編集: 複数人での同時編集や、社内外への共有はスムーズか?
  • サポート体制: 不明点があった際のサポートは充実しているか?
  • コスト: 料金体系は予算に合っているか?(初期費用、月額費用、ユーザー数課金など)
  • セキュリティ: 情報漏洩対策は十分か?

DocBase

DocBaseLP

【DocBaseの特徴・ポイント】

画像のペイントモード柔軟な公開範囲設定豊富な検索機能誰でも使えるシンプルな編集機能メモの外部公開機能

DocBaseは、社内wikiの構築やナレッジ共有、メモや議事録、マニュアルの管理など、さまざまな文書と情報の管理・共有に対応している情報共有ツールです。画像編集機能、柔軟な公開範囲設定、強力な検索機能、シンプルな編集機能、そして外部公開機能を備え、マニュアル作成を効率化し、マニュアルの利活用を促進します。

画像編集機能により、画像編集ソフトを使わずに、DocBase内で直接、矢印、テキスト、モザイクなどの加工が可能になり、画像編集と文書作成をワンストップで完結させ、手順書などのマニュアル作成を大幅に効率化します。

柔軟な公開範囲設定では、グループ機能を利用して、作成したマニュアルを特定のチームメンバーのみに公開したり、複数のグループに公開したりと、情報を見せる範囲を細かく調整できます。

豊富な検索機能により、キーワード、グループ、タグなど、様々な条件でマニュアルを検索可能。PDFやExcelなどの添付ファイルの内容も検索対象となるため、必要な情報を迅速に見つけ出し、活用できます。

シンプルな編集機能は、マークダウンとリッチテキストの両形式に対応し、それらを同時に使えるハイブリッドエディターも搭載しているため、デジタルツールに不慣れなメンバーでも容易にマニュアルの作成・編集に参加でき、チーム全体の知識として蓄積・活用を促進します。

さらに、メモの外部公開機能を利用すれば、DocBaseを利用していない社外のメンバーにもマニュアルを共有可能。共有時にはパスワードを設定した上でのセキュリティに配慮した情報共有が可能です。

【こんな企業/用途におすすめ】

  • 社内Wikiやナレッジベースとして情報を集約したい企業
  • 画像や図を多用するマニュアルを作成したい企業
  • セキュリティを重視し、柔軟な権限管理を行いたい企業
  • 社内外の関係者と安全に情報を共有したい企業

【DocBaseの費用・料金プラン】

無料トライアル スターター ベーシック レギュラー ビジネス
料金 0円 990円/月 4,950円/月 9,900円/月 21,450円/月
ユーザー数 無制限 3人 10人 30人 100人
ストレージ 無制限 3GB 10GB 30GB 100GB

NotePM

notePMLP

【NotePMの特徴・ポイント】

活用状況をレポート分析で確認できるセキュリティ性が高く医療機関や金融機関で採用されているシーンを問わずに活躍してくれる

NotePMは、ナレッジやノウハウを一元管理できる「ナレッジマネジメントツール」です。文書管理はもちろんのこと、マニュアル作成、社内wiki、ノウハウ共有、社内FAQ、社内ポータル、取引先との情報共有などシーンを問わずに活躍してくれます。

また、コメントやいいね機能を搭載しており、SNSのような使い方ができる点も特徴です。「社内コミュニケーションを促進したい」という企業におすすめしたいシステムです。

【こんな企業/用途におすすめ】

  • 社内のナレッジ共有を活性化させたい企業
  • マニュアルだけでなく、社内報や日報なども一元管理したい企業
  • セキュリティ要件が厳しい企業(金融機関など)
  • ツールの利用状況を把握・分析したい企業

【NotePMの費用・料金プラン】

プラン8 プラン15 プラン25 プラン50 プラン100 プラン200~
料金 5,280円/月 9,900円/月 16,500円/月 33,000円/月 66,000円/月 132,000円/月
ユーザー数 8人まで 15人まで 25人まで 50人まで 100人まで 200人まで
ストレージ 80GB 150GB 250GB 500GB 1TB 2TB

Stock

StockLP

【Stockの特徴】

シンプルなUIで操作しやすいマルチデバイス対応オフラインでも一部機能の使用ができる無料の条件は「20ノートまで」

Stockは、チームの知識を簡単に管理・共有するのに適したグループウェアです。操作のシンプルさが特に優れており、初めての人でも迷わず操作できるよう設計されています。小・中規模の企業規模に向いています。マルチデバイスにも対応しており、スマートフォンやタブレットから、アプリを経由して操作が可能です。

フリープランは無料ですが、20ノート(ノート:ファイルのような保存単位)までという条件付きです。なお、作成後のノートを削除しても、ノートのカウントは戻らないため注意してください。

【こんな企業/用途におすすめ】

  • ITツールに不慣れなメンバーが多い中小企業
  • シンプルで簡単な情報共有ツールを求めているチーム
  • タスク管理と情報共有を連携させたい企業
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【Stockの料金プラン】

フリープラン ビジネスプラン エンタープライズプラン
料金 0円 550円/月※1ユーザーあたり 1,100円/月※1ユーザーあたり
ノート数 20ノートまで 無制限 無制限
ストレージ 1GB 10GB 20GB

マニュアル作成ツールはDocBaseがおすすめ!

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マニュアルは業務効率化や品質向上に欠かせないツールですが、作成や運用には様々な課題があります。そこでおすすめなのが「DocBase」です。DocBaseなら、社内の重要な情報を簡単に共有でき、場所を問わずアクセスが可能になります。

また、充実した検索機能により、必要な情報をすぐに見つけ出せます。ISO27001認証を取得した高いセキュリティと、1人あたり214円という手頃な価格も魅力です。まずは無料トライアルから始めてみてはいかがでしょうか。

【DocBaseを活用してマニュアル作成、利用・共有を行っている事例】

活用事例概要 組織規模と利用範囲 事例ページ
株式会社インフラトップ様 ・マニュアル作成と新人教育への活用。
・オフィスが離れている状況下で、メンバー増加に伴う情報共有の課題をDocBaseで解決。
・新入社員の立ち上がりを早め、グループ分けにより過去の経緯を容易に把握可能。
50〜100人未満、エンジニア以外も利用、組織全体 【事例】『DocBaseに投稿することがかっこいい』という風土を作りました
株式会社アールキューブ様 ・外部パートナーとの連携を強化する業務マニュアル。
結婚式プロデュース事業において、プランナーだけでなく、カメラマンやメイク担当などの外部パートナーともDocBaseで業務マニュアルを共有し、サービス品質の均一化を図る。
50〜100人未満、エンジニア以外も利用、社外のメンバーも参加、組織全体 アールキューブ版ウィキペディアをDocBaseで作成 〜検索すればなんでも分かる
株式会社GameWith様 ・エンジニアチームにおける手順書の共有と属人化の解消。
・ゲーム攻略サイト運営において、技術情報をDocBaseに集約し、エンジニア全員が日々の業務を行えるようにすることで属人化を解消。
10〜50人未満、エンジニア以外も利用、属人化の解消 エンジニア全員が日々の重要な作業を行えるようになりました株式会社GameWith様
株式会社coco様 ・フルリモート環境におけるオンボーディングと顧客サポート。
・社内ガイドライン、開発フロー、プロダクト仕様などをDocBaseで共有し、フルリモートの副業メンバーのオンボーディングをドキュメントのみで完結。
・顧客向けヘルプもDocBaseで作成し、外部共有機能で公開。
62人(2023年8月時点)、全社(エンジニア、デザイナー、セールス、カスタマーサクセス、バックオフィス) フルリモートの副業メンバーのオンボーディングが、ドキュメントのみですべて完結。対面をなくしインプットの時間を大幅削減
大垣ケーブルテレビ様 ・全社的なナレッジ共有による顧客サポートの強化。
・障害対応マニュアル、機器設定マニュアル、商品情報などをDocBaseに作成し、全社員が顧客サポート業務で活用。属人化していたノウハウを共有し、新人でも不具合対応が可能に。
78人、全社 属人化していたノウハウを全社で共有し、誰でも顧客サポートができるチームへ

監修

DocBase編集部
DocBase編集部

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