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営業日報とは?正しい書き方や作成目的・メリットも詳しく解説!

最終更新日:2025年6月20日

「今日も商談がうまくいかなかった…」「ベテラン社員のような成果が出せない…」そんな悩みを抱える営業パーソンにこそ、効果的な営業日報の活用をおすすめします。実は、成果を上げているトップセールスの多くが、営業日報を成長のための重要なツールとして役立てているのです。

では、営業日報をどのように書けば、営業力の向上や売上アップにつながるのでしょうか?単なる日々の記録に終わらせず、どうすれば組織全体の成長に貢献できるのでしょうか?

この記事では、営業日報の基本的な書き方から、効果的な活用方法まで、実践的なポイントを解説します。具体的な記入例や、よくある失敗例とその対策も含め、明日からすぐに実践できる内容をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

あなたの営業日報が、営業成績向上の有効な鍵となるはずです。

【この記事を読んでわかること】

  • トップセールスが実践している、成果につながる営業日報の書き方
  • 営業力を着実に向上させる、PDCAサイクルを意識した記録方法
  • 上司やチームメンバーと効果的に情報共有するためのポイント
  • 営業日報作成の時間を短縮しながら、質の高い報告を実現するコツ

そもそも営業日報とは

営業日報は、日々の営業活動をまとめる大切な記録です。修正案:「営業担当者が毎日の活動内容や成果を報告するために作成する文書で、ビジネスの現場において欠かせないものです。

営業日報には、お客様との商談内容や成果、新しい発見など、さまざまな情報が記録されます。これらの情報は数字で表せるものと、経験や気づきといった形で表現されるものの両方を含んでいます。

特に重要なのは、営業日報が持つ3つの役割です。

  • 自分の活動を振り返るためのツールとして使える:毎日の記録をつけることで、どんな点で成功したのか、また改善が必要なのかが明確になります。
  • チームの情報共有ツールとしての役割:他のメンバーの成功例を学んだり、困っている点について助言し合ったりすることができます。
  • 上司とのコミュニケーション手段として活用:日々の活動状況を共有することで、適切なアドバイスをもらえる機会が増えるでしょう。

このように、営業日報は単なる記録以上の価値を持つ大切なツールなのです。

営業日報テンプレートの具体例と選び方のポイント

営業日報に何を書けば良いか分かったところで、次に具体的なテンプレートの例と、自社に合ったテンプレートを選ぶ際のポイントをご紹介します。効果的なテンプレートは、日報作成の効率を上げ、内容の質を高める上で非常に重要です。

<営業日報テンプレート(基本例)>

日付:__________

所属:__________

氏名:__________

1. 本日の営業目標:

2. 本日の業務内容(スケジュール):

時間 顧客名/活動内容   結果・状況(簡潔に)

3. 本日の成果:

4. 所感・反省点(例:KPT法など):

・Keep(良かった点):

・Problem(課題点):

・Try(次回試すこと):

5. 翌日の業務目標:

※その他、特記事項、連絡事項など、必要に応じて項目を追加してください。

なおテンプレートを選ぶ際のポイントとしては、以下の点に注目しましょう。

  1.  必須項目の網羅性

自社の営業スタイルや報告文化に必要な情報が漏れなく記録できるかを確認しましょう。目的(進捗管理、ノウハウ共有、人材育成など)によって必要な項目は異なります。

  1. カスタマイズの柔軟性

業界や扱う商材、チームの状況によって、必要な項目は変化します。固定されたテンプレートではなく、自社の運用に合わせて項目を追加・修正・削除できる柔軟性があるかどうかが重要です。

  1. 入力のしやすさ(効率性)

日々の業務で継続して使うものなので、入力が煩雑だと形骸化の原因になります。選択式項目や自動入力支援、モバイル対応など、入力負荷を軽減する工夫があるか確認しましょう。

  1. 共有・検索・活用のしやすさ

作成した日報がスムーズに共有され、後から必要な情報を簡単に検索・参照できることが、情報活用のためには不可欠です。タグ付け機能や高度な検索機能、コメント機能などがあると便利です。

  1. セキュリティと管理体制

顧客情報など機密情報を含む場合があるため、アクセス権限設定やデータのバックアップ体制など、セキュリティ面も考慮しましょう。

自社に最適なテンプレートを見つけることが、営業日報を形骸化させず、有効活用するための第一歩です。情報共有ツールの中には、これらのポイントを満たした上で、さらに効率的な日報運用をサポートする機能を備えたものもあります。例えば、DocBaseでは、柔軟なテンプレート作成機能に加え、強力な検索機能やコメント機能で、チーム全体の営業力向上を支援します。

営業日報に書くべき6つの項目【営業日報の書き方】

タスク完了

効果的な営業日報を作るために、押さえておきたい大切な項目も理解しておきましょう。ここからは、営業の現場で実際に役立つ6つの項目について、順を追って説明していきます。

以下の項目をしっかり記入することで、充実した営業日報を作成できます。

  1. 1日の営業目標
  2. 1日の業務内容
  3. 1日のスケジュール
  4. 1日で得られた成果
  5. 1日の所感・反省点
  6. 翌日の業務目標

これらの項目は、それぞれが重要な意味を持っています。各項目について、どのように書けばよいのか、なぜ必要なのか、具体的にどんな効果があるのかを、詳しく見ていきましょう。

正しい書き方を身につけることで、営業日報作成の時間を短縮できるだけでなく、より効果的な営業活動につなげられます。

1日の営業目標

一番に記したい項目は、その日に達成したいことを明確にする「営業目標」です。具体的な数字を記すことで、自分の活動がどれだけ成果に結びついたのか、はっきりと確認できます。

以下のような内容を目標として設定しましょう。

  • 新しいお客様との出会いの数
  • すでにお付き合いのあるお客様からの注文数
  • 商談を行う件数
  • 電話でのアプローチ件数

例えば、「今日は新しいお客様を2社訪問する」「既存のお客様から3件の追加注文をいただく」といった具合に、具体的な数字を含めて書きます。

この目標設定には大きな意味があります。まず、自分の活動を振り返る時の指標になります。また、チームのメンバーと進捗状況を共有し、全員で目標達成に向けて力を合わせて取り組むことができます。

さらに、目標と実績を並べて記録することで、次の改善につながる気づきが得られます。

1日の業務内容

その日の営業活動の詳しい内容を記録するのが、この項目の役割です。単なる行動記録ではなく、後から誰が見ても状況を理解できるように、具体的に記述することがポイントです。その際に意識したいのが5W1Hです。

5W1Hとは、情報を網羅的かつ具体的に伝えるための基本的なフレームワークです。

  • When(いつ): 活動を行った日時、所要時間など。
  • Where(どこで): 訪問先企業名、支店名、オンライン会議など、活動の場所。
  • Who(誰が・誰と):  自分が、または社内の誰と、そして顧客側の誰と(担当者名、役職など)。
  • What(何を): 商談の目的、提案した商品・サービス、ヒアリングした内容、決定事項、宿題事項など。
  • Why(なぜ): その活動を行った理由、目的、背景など。
  • How(どのように): どのような方法でアプローチしたか、どのような提案を行ったか、その結果どうだったか(顧客の反応、成果、課題など)。

例えば、『A社訪問』とだけ書くのではなく、『10:00-11:00(When)、A社本社にて(Where) 、営業部の山田様と(Who)、新製品Xのデモンストレーションと導入事例紹介(What)、先日の問い合わせへの対応と具体的な導入検討促進のため(Why)、実機デモと成功事例の数値データ提示(How)。製品機能には好感触だったが、価格面でB社製品と比較検討したいとのコメントあり。次回見積もり提出予定。』のように、5W1Hを意識して記述することで、情報の具体性と網羅性が格段に向上します。

もちろん、すべての活動に対して厳密に5W1Hを記述する必要はありませんが、特に重要な商談や顧客とのやり取りについては、このフレームワークを意識することで、質の高い記録を残すことができます。

1日のスケジュール

営業活動を成功させる鍵の1つが、スケジュール管理です。1日の動きを時間軸で整理することで、より効率的な活動が可能になります。

スケジュールには、以下のような項目を含めると良いでしょう。

  • お客様との面会時間
  • 移動時間
  • 社内での作業時間
  • 休憩時間
  • 報告書作成の時間

<記入例>

  • 9:00 朝礼
  • 10:00-11:00 A社訪問
  • 11:30-12:30 B社での商談
  • 13:30-14:30 見積書作成
  • 15:00-16:00 C社への提案

このように時間と活動内容をセットで記録すれば、後から自分の時間の使い方を見直せます。また、予定と実際の行動にズレが生じた場合、その理由を考えることで次回の改善につながります。

さらに、上司や同僚とスケジュールを共有することで、急な対応が必要になった時もスムーズに助け合うことが可能です。

1日で得られた成果

営業活動の成果を具体的に記録することは、とても大切です。数字での表記により、自分の活動がどれだけ実を結んだのかが明確になります。

成果として記録すべき主な項目には、以下のようなものがあります。

  • 成立した商談の件数
  • 既存のお客様との面談回数
  • 新しく開拓したお客様の数
  • 見込みのあるお客様の数
  • 受注金額や販売数

<記入例>

本日の成果

 ・商談成立:2件(150万円)

 ・新規アプローチ:5社

 ・見込み客獲得:3社

 ・既存顧客面談:4件

このような記録をつけることで、目標達成度が一目でわかります。また、上司や同僚と情報を共有すれば、チーム全体の士気を高められます。

さらに、日々の成果を積み重ねることで、月間や年間の実績を把握しやすくなり、長期的な成長の確認にも役立ちます。

1日の所感・反省点

営業活動を振り返り、感想や改善すべき点を記録することは、成長のために欠かせません。この項目では、数字では表せない気づきや学びを言葉にしていきます。

効果的な振り返りのためには、単に感想を述べるだけでなく、具体的な行動につながる気づきを得ることが重要です。そこで役立つのが、KPTというフレームワークです。

KPT法は、以下の3つの観点から振り返りを行うことで、構造的に学びを整理し、次のアクションを明確にする手法です。

  • Keep(良かったこと・継続したいこと):その日の活動でうまくいったこと、成果が出たこと、今後も続けたいと感じた行動や工夫などを記述します。成功要因を明確にすることで、再現性を高めることができます。
  • Problem(問題点・改善が必要なこと):うまくいかなかったこと、課題だと感じたこと、目標未達の原因などを具体的に記述します。問題を正確に把握することが改善の第一歩です。
  • Try(次に挑戦すること・具体的な改善策):Problemで挙げた課題に対して、具体的にどのような行動を取るか、次に何を試すかを記述します。具体的なアクションプランに落とし込むことで、着実な改善に繋がります。

日報の所感・反省点を書く際には、このKPTを意識することで、より具体的で建設的な内容にすることができます。例えば、以下のような点を意識して記述すると良いでしょう。

  • うまくいった対応とその理由(Keepの視点)
  • 難しかった場面での反省点(Problemの視点)
  • お客様から学んだこと(KeepやProblemにつながる気づき)
  • 次回に活かしたい気づき・改善点(Tryの視点)
  • 改善が必要な部分(Problemの視点)

<具体例>

「今日の商談では、お客様の悩みをじっくり聞くことができ(Keep)、信頼関係を深められた。ただし、価格について質問された際の説明が不十分だったので(Problem)、次回は具体的な数字を示せるよう準備しておく(Try)」

このような振り返りを行うことで、日々の成長につながります。また、同じような場面に直面した同僚にとっても有益な情報となるだけでなく、上司からも、具体的なアドバイスをもらいやすくなる利点もあります。

翌日の業務目標

明日の営業活動をより効果的にするために、翌日の目標をしっかり設定しましょう。計画的に行動することで、生産性の高い営業活動が可能になります。

翌日の目標には、以下のような項目を含めると良いでしょう。

  • 訪問するお客様のリスト
  • 商談での具体的な提案内容
  • 準備が必要な資料
  • 確認すべき情報
  • 時間配分の計画

<具体例>

明日の目標

 ・A社様 新商品の提案(見積書持参)

 ・B社様 契約更新の打ち合わせ

 ・新規開拓3社へのアプローチ

 ・商品カタログの準備

目標を具体的に書くことで、朝から効率的に動き出せます。また、必要な準備物を前日のうちに確認できるため、慌ただしい朝の時間を有効に使えます。

さらに、チーム内で翌日の予定を共有することで、協力体制も整いやすくなります。

営業日報を書かないことのデメリット

注意

営業日報の作成は手間がかかる、面倒だと感じる方もいるかもしれません。しかし、営業日報を作成しない、あるいは形骸化させてしまうことには、見過ごせないデメリットが潜んでいます。具体的にどのような問題が生じるのか見ていきましょう。

  • 個人の成長機会の損失:「今日の商談での反省点を、明日すぐに活かせますか?」
    • 成功体験や失敗体験からの学びが言語化されず、自身の強み・弱みの客観的な把握が難しくなります。結果として、スキルアップの機会を逃し、成長が鈍化する可能性があります。
  • チーム全体の生産性低下:「隣の席の同僚が得た契約の秘訣を、あなたは知っていますか?」
    • 各営業担当者の活動状況や顧客情報、成功事例・失敗事例が共有されず、ノウハウが属人化します。これにより、チーム内での連携ミスや、同じ失敗の繰り返しが発生し、組織全体の生産性が低下します。
  • マネジメントの質の低下:「部下が出した成果、あるいは直面している壁を、具体的に把握できていますか?」
    • 上司は部下の活動状況や課題をリアルタイムに把握できず、適切な指導やサポートが困難になります。また、現場の生きた情報が集まらないため、的確な営業戦略の立案も難しくなります。
  • 顧客対応の質の低下と機会損失:「お客様からの『以前にも話したはずだけど…』という言葉に、ドキッとした経験はありませんか?」
    • 担当者変更時の引き継ぎ漏れや、過去の顧客とのやり取りが不明瞭になることで、顧客対応の質が低下し、顧客満足度を下げてしまう可能性があります。また、顧客の潜在的なニーズや市場の変化を見逃し、新たなビジネスチャンスを失うこともあります。

このように、営業日報をおろそかにすることは、個人だけでなくチーム、そして会社全体にとって大きな損失につながりかねません。では、これらのデメリットを回避し、営業日報を真に価値あるものにするためには、どのような目的意識を持って作成すべきなのでしょうか。次に、営業日報を作成する具体的な目的について見ていきましょう。

社員が営業日報を作成する目的

目標達成への道のり

営業の現場で欠かせない営業日報。毎日作成する理由には、実は重要な意味が込められています。ここからは、営業担当者がなぜ営業日報を作成するのか、その目的について詳しく解説していきます。

営業日報を作成する目的は、主に以下の3つです。

  • 商談の情報をチーム内で共有するため
  • 営業活動を振り返って改善するため
  • 上司からのフィードバックを受けるため

これらの目的は、それぞれが営業活動の質を高め、成果の向上につながる重要な要素となっています。では、一つひとつの目的を具体的に見ていきましょう。

商談の情報をチーム内で共有するため

営業日報の目的の1つ目は、チーム内での情報共有です。日々の商談から得られる貴重な経験や気づきを共有することで、組織全体の営業力を高められます。

営業日報には、その日の成功体験や失敗からの学び、直面した問題とその解決方法などが記録されています。これらの情報は、チームメンバー全員にとって価値ある学びとなります。例えば、ベテラン社員の効果的なアプローチ方法を若手が学んだり、似たような課題を抱えるメンバー同士で解決策を考えたりすることが可能です。

また、市場の新しい動きやお客様のニーズの変化といった情報も、営業日報を通じて素早く共有できます。チーム全体が市場の変化に迅速に対応可能となり、より効果的な営業活動が実現できるのです。

このような情報共有の積み重ねが、組織全体の営業力を向上させ、最終的には成果アップへとつながっていきます。

営業活動を振り返って改善するため

営業日報を書く2つ目の重要な目的は、「日々の活動を振り返って改善する」ことです。毎日の振り返りは、営業スキルを磨くために欠かせません。

営業の現場では、日々いろいろな経験を積んでいきます。その一つひとつの経験から学びを得るために、PDCAサイクルを意識した振り返りが大切です。目標に対して実際の成果がどうだったのか、なぜその結果になったのかを丁寧に分析することで、次の改善につなげられます。

例えば、商談がうまくいかなかった時も、その原因を具体的に考えることで貴重な学びとなります。「お客様のニーズを十分に把握できなかった」という反省から、「次回は事前に質問項目を準備して挑もう」という具体的な改善策が生まれます。

このような振り返りを続けることで、自分の強みや弱点が明確になり、より効果的な営業手法も見えてきます。また、お客様への理解も自然と深まっていきます。

日々の小さな学びや気づきを継続することが、揺るぎない自身の発展を促します。営業日報は、そんな成長の記録であり、次のステップへの道しるべとなるでしょう。

上司からのフィードバックを受けるため

営業日報の3つ目の目的は、上司から適切なフィードバックを受けるためです。日々の活動を具体的に記録することで、上司からより的確なアドバイスをもらえます。

営業の現場では、一人では気づきにくい改善点や、経験不足から見落としがちなポイントがあります。そんな時、豊富な経験を持つ上司からの助言は、大きな学びのチャンスとなります。

例えば、「お客様との商談で価格の話題になった際、うまく対応できませんでした」という報告に対して、上司は「その商品の持つ価値を具体例で示すと、価格の話がスムーズに進みやすいですよ」といったアドバイスが可能になります。

また、営業日報を通じたコミュニケーションは、対面での相談よりも落ち着いて考えを整理できるという利点があります。上司も部下の状況をじっくりと把握した上で、適切なアドバイスを考えられます。

こうした日々のフィードバックの蓄積が、着実な成長をもたらすのです。

上司が営業日報を作成させる目的

営業日報は、単なる報告書ではありません。上司の立場から見ると、チームマネジメントにおける重要なツールとなっています。ここでは、なぜ上司が部下に営業日報の作成を求めるのか、その目的について詳しく解説していきます。

上司が営業日報を作成させる目的には、主に以下の3つがあります。

  • 営業活動の進捗を正しく把握するため
  • フィードバックでの材料にするため
  • 成果の高い営業手法を共有するため

これらの目的は、チーム全体の成果向上と、個々のメンバーの成長を支援することにつながっています。それでは、それぞれの目的について具体的に見ていきましょう。

営業活動の進捗を正しく把握するため

上司が営業日報を重視する1つ目の理由は、チームメンバーそれぞれの活動状況や課題を把握することです。日々の活動記録から、現場の状況を詳しく理解し、適切な判断を下せます。

毎日の営業日報には、営業担当者それぞれの活動内容が詳しく記されています。どのお客様とどんな商談を行い、どのような課題に直面しているのか。また、商談がどの段階まで進んでいるのかといった具体的な情報が集まってきます。

これらの情報を丁寧に確認することで、チーム全体の現状が見えてきます。例えば、特定の商品での商談が増えている傾向や、価格面での課題が多く生じているといった変化にも気づきやすくなります。

このような正確な状況把握があってこそ、効果的な営業戦略の見直しが可能になります。必要に応じて新しい提案方法を考えたり、商品の見せ方を工夫したりと、具体的な改善策を打ち出すことができるのです。

フィードバックでの材料にするため

上司が営業日報を活用する2つ目の目的は、チームの一人ひとりに対して適切なフィードバックを行うためです。日々の活動記録があれば、具体的な事例に基づいた建設的なアドバイスが可能になります。

例えば、ある営業担当者の日報から、商談の序盤は順調に進むものの、価格交渉の場面で行き詰まることが多いという傾向が見えてきたとします。この場合、上司は価格に関する質問への対応方法や、商品の価値を効果的に伝えるためのアプローチ方法を具体的にアドバイスできます。

また、日報を通じて個々の強みや特徴も見えてきます。お客様との関係づくりが得意なメンバー、提案力に優れているメンバーなど、それぞれの持ち味を活かした成長プランを考えることができます。

このように、日報を通じた継続的なフィードバックは、チームメンバーの着実な成長につながります。そして、個々の成長がチーム全体の営業力向上をもたらすのです。

成果の高い営業手法を共有するため

成功している営業担当者のノウハウを組織全体で共有することは、上司の重要な役割の1つです。営業日報は、そのための効果的なツールとして機能します。

優れた営業担当者の日報には、効果的な商談の進め方や、お客様の心をつかむコミュニケーション方法、難しい局面での対処法など、貴重なノウハウが詰まっています。これらの情報を分析し、チーム全体で活用できる形にまとめることで、組織としての営業力の向上につながります。

例えば、価格交渉での効果的なアプローチ方法や、競合との差別化ポイントの伝え方、業界特有の課題に対する解決提案の仕方など、具体的なケースを共有することで、他のメンバーも実践的に学べます。

特に新人やキャリアの浅いメンバーにとって、成功事例から学ぶ機会は貴重です。また、ベテラン社員の持つ暗黙知を形式知化することで、組織の財産として継承できます。このような情報共有により、チーム全体の底上げにも期待ができます。

営業日報を「活きた情報」に変える3ステップサイクル:作成・共有・活用

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営業日報は、ただ作成するだけではその価値を十分に発揮できません。日々の記録を真に「活きた情報」として、個人と組織の成長に繋げるためには、「作成」「共有」「活用」という3つのステップからなるサイクルを意識して回していくことが不可欠です。

このサイクルを理解し実践することで、営業日報は単なる義務的な作業から、営業力強化のための戦略的なツールへと進化します。それぞれのステップで何を意識すべきか見ていきましょう。

  • ステップ1:目的意識を持った「作成」
  • ステップ2:スムーズでオープンな「共有」
  • ステップ3:多角的で継続的な「活用」

ステップ1:目的意識を持った「作成」

まず最初のステップは、質の高い営業日報を「作成」することです。ここでのポイントは、目的意識を持つことです。

誰に、何を伝えたいのかを明確にする: 上司に進捗を報告するためか、チームメンバーにノウハウを共有するためか、あるいは自分自身の振り返りのためか。目的によって書くべき内容の濃淡や視点が変わってきます。

具体的かつ客観的な情報を記述する: 後から見返したときや他の人が読んだときにも状況が正確に伝わるよう、5W1H(詳細は「1日の業務内容」で後述)を意識した記述や、数値データを用いることが重要です。

継続できる効率性を追求する: 毎日続けるためには、作成の負担を軽減することも大切です。テンプレートの活用(詳細は「営業日報テンプレートの具体例」で後述)や、スキマ時間のメモなどが有効です。

効果的な作成方法の詳細は、この後の「営業日報に書くべき6つの項目」や「営業日報を作成する際のポイント」で詳しく解説します。

ステップ2:スムーズでオープンな「共有」

作成された営業日報は、次に「共有」されて初めてその価値が広がります。適切な共有は、個人知を組織知へと昇華させるために欠かせません。

  • なぜ共有が重要か
    • チーム全体の状況把握:各メンバーの進捗や課題をリアルタイムで把握し、迅速な対応やサポートを可能にします。
    • ノウハウの横展開:成功事例や顧客からの有益な情報がチーム内で共有され、全体のスキルアップに繋がります。
    • 属人化の防止:特定の担当者しか知らない情報をなくし、担当変更や不在時にも業務がスムーズに進むようにします。
  • 効果的な共有のために
    • リアルタイム性:作成後すぐに共有できる仕組みが理想です。
    • 適切な範囲設定:関係者全員が必要な情報にアクセスできること、かつ機密性にも配慮することが求められます。
    • 確認のしやすさ:通知機能や未読/既読管理など、共有された情報を見落とさない工夫も重要です。

情報共有ツールを活用することで、これらの共有の課題を解決し、よりスムーズでオープンな情報流通を実現できます。

ステップ3:多角的で継続的な「活用」

最後のステップであり、最も重要なのが営業日報の「活用」です。作成・共有された情報は、活用されて初めて具体的な成果に結びつきます。活用には、自分自身による活用と、チーム・組織による活用の2つの側面があります。

  • 自分自身による活用
    • 振り返りによる自己成長:KPT(詳細は「1日の所感・反省点」で後述)などを用いて日々の活動を振り返り、成功要因や改善点を明確にすることで、継続的なスキルアップにつなげます。
    • 過去の経験からの学習:過去の日報は、類似案件への対応や顧客折衝のヒントが詰まった貴重なデータベースとなります。
    • 目標達成度の確認と行動計画の修正:日々の目標と実績を照らし合わせ、目標達成に向けた行動計画の見直しやモチベーション維持に役立てます。
  • チーム・組織による活用
    • ナレッジマネジメント:成功事例やクレーム対応策などのノウハウを蓄積・共有し、組織全体の営業力を底上げします。
    • 課題の早期発見と解決:個々の営業担当者が抱える課題や、市場・顧客の変化を早期に察知し、組織的な対策を講じることができます。
    • 人材育成・OJT:新人や若手社員が先輩社員の日報から具体的な営業手法や顧客対応を学ぶ、貴重な教材となります。
    • 営業戦略の策定・改善:蓄積された顧客情報や市場動向を分析し、より効果的な営業戦略の立案や見直しに活かします。
    • コミュニケーションの活性化:日報へのコメントやフィードバックを通じて、チーム内のコミュニケーションを促進し、協力体制を強化します。

この「作成」「共有」「活用」の3つのステップがスムーズに連携し、継続的にサイクルとして回ることで、営業日報は強力な武器となります。そして、このサイクルを効率的に、かつ効果的に回すためには、DocBaseのような情報共有ツールの活用が非常に有効です。

営業日報を書く4つのメリット

MERIT

営業日報は、単なる業務報告以上の価値があります。適切に活用することで、個人の成長とチーム全体の成果向上につながる重要なツールとなります。ここからは、営業日報の作成によって得られる具体的なメリットについて解説していきます。

営業日報がもたらす主な効果として、以下の4つが挙げられます。

  • スピーディーにPDCAサイクルを回せる
  • 営業力の属人化を防げる
  • 営業活動のデータベースを作成できる
  • 一人ひとりに適切なアドバイスができる

これらのメリットは、日々の営業活動をより効果的なものにし、組織全体の成長を促進します。それでは、それぞれのメリットについて具体的に見ていきましょう。日報作成の意義と、その効果的な活用方法が見えてくるはずです。

スピーディーにPDCAサイクルを回せる

営業日報を活用すれば、PDCAサイクルをより素早く、効果的に回せます。日々の活動を計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)というサイクルで捉えることで、着実な成長につながります。

例えば、朝の段階で「新規顧客3社へのアプローチ」という計画(Plan)を立て、実際に訪問や電話での営業活動(Do)を行います。その結果を日報に記録する際、「2社からアポイントを獲得できたが、1社は商品の価格帯が合わなかった」といった評価(Check)を行います。そして「価格に見合う価値を具体的に示せるよう、事例資料を準備しよう」という改善(Act)につなげていきます。

このサイクルを毎日回すことで、成功パターンの発見や、課題の早期解決が可能になります。また、上司からのアドバイスをすぐに実践し、その効果を確認できるのも大きな利点です。

さらに、チーム全体でPDCAサイクルを共有することで、個々の経験がチーム全体の財産となり、組織としての成長スピードも加速します。

営業力の属人化を防げる

営業日報を通じた情報共有により、特定の個人に依存しない、強い営業組織を構築できます。優秀な営業パーソンの持つノウハウを、チーム全体の財産として活用できるのです。

例えば、ベテラン営業担当の商談記録には、お客様との信頼関係の築き方や、効果的な提案のタイミング、価格交渉での切り返し方など、長年の経験から得た貴重なノウハウが詰まっています。これらの情報を営業日報で共有することで、若手社員も実践的なスキルを学習できます。

また、業界特有の商習慣や、お客様ごとの特徴、過去の取引経緯なども、組織の共有知識として蓄積されていきます。担当者が異動や退職した場合でも、これらの情報があれば、新しい担当者がスムーズに引き継ぐことができます。

さらに、各メンバーの得意分野を活かしたチーム営業も可能になります。提案力が高いメンバー、価格交渉が得意なメンバーなど、それぞれの強みを組み合わせることで、より効果的な営業活動が展開できるのです。

営業活動のデータベースを作成できる

日々の営業日報の積み重ねは、営業活動における貴重なデータベースとなります。商談内容や顧客の反応、市場動向など、さまざまな情報が蓄積されることで、より戦略的な営業活動が可能になります。この蓄積されたデータを、単なる記録で終わらせず、積極的に営業戦略に活かすためのコツもご紹介します。

<営業日報データを営業戦略に活かすTIPS>

  • 定期的にチームで日報をレビューする:週に一度など、チームで日報を読み合わせる時間を設け、成功事例や失敗パターン、顧客からの共通の要望などを共有・分析しましょう。
  • 顧客の声や市場トレンドを抽出する:日報の中から、顧客が抱える課題、製品やサービスへの要望、競合の動き、市場の新たなトレンドなどを意識的に抽出し、リスト化します。
  • 商品開発やマーケティング活動にフィードバックする:抽出した顧客の声や市場トレンドは、営業部門だけでなく、商品開発部門やマーケティング部門にも共有し、製品改善や新たな施策の立案に繋げましょう。
  • 失注分析・成功分析を行う:受注に至らなかった案件の日報を分析し、失注の原因を探ります。同様に、成功した案件の日報からは、受注につながった要因(キラーフレーズ、効果的な提案資料など)を抽出し、チーム内で共有します。
  • ツールを活用してデータを可視化・分析する:情報共有ツールやSFA/CRMには、日報データを集計・分析し、グラフなどで可視化する機能が備わっている場合があります。これらの機能を活用することで、より効率的にデータに基づいた意思決定ができます。

例えば、過去の商談記録を分析することで、「この業界では年度末に予算が動きやすい」「この規模の企業では導入決定までに平均3回の商談が必要」といった傾向が見えてきます。また、「価格よりもアフターサポートを重視する企業が増えている」といった市場の変化も、営業日報の積み重ねから読み取れるのです。

さらに、成功事例と失敗事例の分析により、効果的な提案方法や商談の進め方が明確になります。「この業種ではコスト削減効果を強調すると反応が良い」「あの商品は実績データを示すと決定が早まる」といった、具体的なノウハウの抽出も可能です。

このように蓄積された情報は、新規開拓戦略の立案や、既存顧客へのアプローチ改善など、さまざまな場面で活用できる貴重な資産となります。

一人ひとりに適切なアドバイスができる

営業日報を通じて、一人ひとりの特徴や課題が明確になることで、より効果的な個別指導が可能になります。画一的なアドバイスではなく、チーム内でそれぞれの成長段階や得意分野に合わせたサポートができるのです。

例えば、ある営業担当の日報から「提案力は高いが、価格交渉で苦戦している」という傾向が見えてきたとします。この場合なら、価格に関する具体的な交渉術や、値引き要請への対応方法など、的確なアドバイスを提供できます。

また、営業日報を通じて個々の成長過程も把握できます。「最近、新規開拓の成功率が上がってきている」「プレゼンテーションのスキルが着実に向上している」といった変化を捉えることにより、適切なタイミングで次のステップへのアドバイスが可能です。

さらに、モチベーション管理の面でも、日報は重要な役割を果たします。個々の努力や成長を具体的に認識し、適切な評価やフィードバックを行うことで、持続的な成長を支援できるのです。

営業日報を作成する際のポイント

point

営業日報は、単に書けば良いというものではありません。効果的な営業日報を作成するためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。

営業日報を作成する際の重要なポイントは以下の5つです。

  • 読みやすく簡潔な文章を意識する
  • 事実と主観的意見を混同しないよう注意する
  • 長期的な視点で作成に取り組む
  • 保存する際には顧客情報と紐づける
  • PDCAサイクルを意識して作成する

これらのポイントを意識することで、より価値のある営業日報の作成が可能です。それでは、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

読みやすく簡潔な文章を意識する

営業日報は、多くの人が読む報告書です。そのため、誰が読んでも理解しやすい文章を心がけることが大切です。特に上司は日々多くの報告を読む必要があり、簡潔でわかりやすい文章は、情報の正確な伝達と迅速な意思決定につながります。

まず大切なのは、短い文で簡潔に記すことを心がけましょう。長い文章は読みにくく、要点がわかりづらくなります。また、読む人が最初に最も知りたい要点を提示し、その後に補足情報を続ける流れを意識すると、読み手は内容を把握しやすくなります。

例えば、「A社との商談が成立しました。価格面での課題がありましたが、導入実績を示すことで解決できました」といった具合です。このように、結論を先に示し、そのプロセスを後から説明する形式が効果的です。

また、箇条書きを活用することで、情報を整理して伝えられます。ただし、箇条書きに頼りすぎると文章としての流れが損なわれるため、適度なバランスが重要です。読み手の立場に立って、何を伝えたいのかを常に意識しながら文章を組み立てていきましょう。

事実と主観的意見を混同しないよう注意する

営業日報は、起こった出来事(事実)と自身の考え(主観)を区別した、明確な記述が不可欠です。両者をはっきり区別することで、より信頼性の高い報告となります。これは、チーム内での情報共有や意思決定の質を高めるために欠かせない要素です。

事実とは、「A社との商談で500万円の契約が成立」「3社を訪問し、2社からアポイントを獲得」といった、具体的な数字や出来事です。一方、「お客様の反応が良かった」「商談は順調に進んでいる」といった表現は、個人の主観的な評価です。

こうした事実と意見は、できるだけ分けて記載することをおすすめします。例えば、「活動:B社様から見積り依頼を受領」「所感:価格面での競合との差別化が課題」というように区分けすると、情報が整理されて読みやすくなります。

特に重要なのは、お客様との会話内容を記録する際の正確性です。「お客様が〇〇とおっしゃっていた」という事実と、「お客様は〇〇を重視していると思われる」という解釈は、明確に区別して記録するべきです。この点を習慣づければ、より正確な情報共有と適切な戦略立案が可能になります。

長期的な視点で営業日報の作成に取り組む

営業日報は、日々の活動記録以上の価値があります。長期的な視点で作成すれば、より戦略的な営業活動につなげられます。単なる日々の記録ではなく、将来の成果につながる重要な情報源として活用することが重要です。

例えば、顧客との関係構築の過程や、競合他社の動き、業界トレンドの変化など、この先の営業活動に影響を与える情報も積極的に記録しましょう。これらの情報は、後から振り返った時に貴重な示唆を与えてくれます。「このお客様は半年前からこのような課題を抱えていた」「業界全体でこういった傾向が強まっている」といった変化の過程が見えてきます。

また、自身の営業スキルの成長過程や、成功・失敗から得た教訓なども、長期的な視点で記録する価値があります。日々の小さな気づきが、後から見ると大きな成長のきっかけだったとわかることも少なくありません。

さらに、市場全体の動向や、お客様の業界特有の課題なども、時系列で記録していくことで、より深い洞察が得られます。これらの情報は、将来の営業戦略を立てる際の重要な判断材料となります。

保存する際には顧客情報と紐づける

営業日報を「顧客情報」と関連づけて管理すれば、その価値は大きく高まります。個別のお客様への対応の質が上がり、長期にわたる良好な関係構築にも貢献するでしょう。

例えば、過去の商談記録を振り返ることで、お客様の関心の移り変わりや検討の進捗といった遍歴を把握できます。「半年前は価格重視だったが、最近は品質や導入後のサポート体制に関心が移っている」といった変化を捉えられます。また、過去の質問や要望を記録から確認し、次の提案に活かせば、お客様の満足度向上にもつながります。

さらに、お客様ごとの商談の特徴や決定プロセスを分析することで、より効率的な営業戦略を立てられます。「この業界では、年度末に向けて検討が本格化する」「導入担当者と決裁者で重視するポイントが異なる」といった傾向も見えてきます。

加えて、顧客情報との紐づけは、チーム内での引き継ぎやサポートにも役立ちます。担当者が不在の際でも、これまでの経緯を踏まえた適切な対応が可能になるのです。

PDCAサイクルを意識して作成する

営業日報は、PDCAサイクルを回すための重要なツールです。計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の流れを意識して記録することで、着実な進歩をもたらします。このサイクルを習慣づければ、営業力向上の確かな鍵となるでしょう。

具体的には、その日の目標(Plan)と実際の活動内容(Do)を記録し、目標達成度や課題(Check)を明確にします。「新規アポイント3件」という目標に対して「2件獲得、1社は再検討」といった具合です。そして、「商品説明の際、業界特有の課題への対応事例を準備しておく」といった、次回に向けた改善点や新たな目標(Act)を設定します。

日々の記録にPDCAサイクルの視点を持つことで、うまくいかなかった活動の根本原因を突き止め、的確な対策を速やかに打てるようになるのです。また、成功体験や失敗からの学びを次の行動に活かせば、より効果的な営業活動を展開できます。

さらに、このPDCAサイクルを通じて得られた気づきは、チーム全体で共有することで、組織としての成長にもつながります。個人の経験を組織の財産として活用できるのです。

営業日報の例文

ここでは、先ほどご紹介した基本的なテンプレートに沿って、具体的な記入例をご紹介します。どのような情報を、どの程度の具体性で書けば効果的なのか、参考にしてください。

【営業日報 記入例】

20◯◯年◯月◯日(◯曜日) 第三営業部 山田太郎

■営業目標

・A社との契約締結(商談3回目)

・新規顧客へのアプローチ3件

・既存顧客B社での追加提案

■業務内容

09:00-09:30 朝礼・スケジュール確認

10:00-11:30 A社訪問(商談)

13:00-14:30 新規開拓(C社、D社)

15:00-16:30 B社定期訪問

17:00-18:00 見積書作成、資料準備

■成果と進捗

・A社:基本合意を獲得、来週までに契約書を準備

・新規開拓:C社から次回面談の約束を獲得

・B社:新商品の追加提案、検討を約束いただく

※:成果は、具体的な顧客名や進捗状況(例:『基本合意』『次回面談約束』)を明記することで、進捗が明確になります。また、受注金額や件数だけでなく、商談が次のステップに進んだことも重要な成果として記録しましょう。

■振り返りと次のアクション

・A社との契約書は法務部と確認の上、早めに準備

・C社では業界特有の課題が判明、事例資料を用意

・B社の追加提案は納期を明確にして再提案

■所感

今日はA社との基本合意やC社からの次回面談約束と、設定した目標に対して一定の成果を上げることができ、達成感を感じています。特にA社様とはこれまでの関係構築が結実したと感じており、来週の契約締結に向けて気を引き締めて準備を進めます。この勢いを維持し、さらなる成果を目指したいです。

 

※:所感では、単に感想を述べるだけでなく、その日の活動全体を振り返り、良かった点(成功要因)や課題点を自己分析することが重要です。この例文では、A社との関係構築が成果につながったという分析ができており、今後の活動にも活かせる気づきとなっています。さらにKPT法などを活用すると、より具体的な振り返りが可能です。

このように、目標、行動、成果、次のステップを明確に記録することで、PDCAサイクルを意識した報告となります。また、具体的な数値や次のアクションを明記すれば、上司からの適切なアドバイスも得やすくなります。

営業日報におけるよくある失敗例

悩む人

営業日報は、その重要性は理解していても、実際の運用ではさまざまな課題に直面することがあります。効果的な営業日報作成のために、よくある失敗例とその改善方法について解説していきます。

特に注意が必要な失敗パターンは、以下の3つです。

  • 義務感だけで営業日報を書いている
  • 上司からのフィードバックを受けられない
  • 作成に膨大な時間がかかっている

これらは、多くの営業現場で見られる共通の課題です。しかし、適切な対策を講じることで、より効果的な営業日報の運用が可能になります。それでは、それぞれの失敗パターンについて詳しく見ていきましょう。

義務感だけで営業日報を書いている

営業日報を単なる義務的な作業として捉えていては、その本来の価値を活かすことができません。「毎日書かなければならない日記」という意識では、効果的な活用は望めないのです。

営業日報の本質的な役割は、営業プロセスを可視化し、案件の進捗状況を正確に把握することにあります。自身の営業活動を改善し、成果を向上させるための重要なツールなのです。

例えば、商談の内容を詳しく記録することで、お客様のニーズや課題がより明確になります。また、成功や失敗要因の分析により、次の商談に活かせる貴重な気づきが得られます。さらに、チーム内で情報を共有すれば、より効果的な営業戦略の立案にもつながります。

このように、営業日報は単なる報告書ではなく、売上向上につながる戦略的なツールとして捉える視点を意識しましょう。日々の記録が、確実な成果につながっているという実感を持つことで、より積極的な活用が可能になります。

上司からのフィードバックを受けられない

上司からの反応やフィードバックが不足していると、営業日報を書くモチベーションは急速に低下します。「せっかく時間をかけて書いているのに、誰も読んでいないのではないか」という不安が生まれ、次第に形骸化してしまう危険性があります。

効果的なフィードバックには、具体的なコメントや建設的な提案が欠かせません。報告者側も、フィードバックをもらいやすくするための工夫を日報に盛り込むことができます。

<上司や同僚から有益なフィードバックを引き出す日報の書き方TIPS>

  • 具体的な質問や相談事項を明記する:日報の最後に『〇〇について、特にご意見を伺いたいです』『△△の対応で悩んでいるのですが、アドバイスをお願いします』のように、具体的にフィードバックが欲しいポイントを明記しましょう。
  • 成功事例だけでなく、課題や失敗談も正直に書く:うまくいかなかったことや困っていることを具体的に記述することで、上司や同僚はより的確なアドバイスをしやすくなります。課題共有はチーム全体の学びにもつながります。
  • 仮説や自分なりの考えを添える:問題点だけでなく、『次は〇〇のように試してみようと考えていますが、いかがでしょうか?』と自分なりの仮説や解決策の案を添えることで、より建設的な議論に発展しやすくなります。
  • 数字や事実に基づいて記述する:感想だけでなく、具体的なデータや顧客の反応といった客観的な情報を盛り込むことで、フィードバックする側も状況を正確に把握しやすくなります。

作成に膨大な時間がかかっている

営業日報の作成に多くの時間を取られることは、営業活動の効率を著しく低下させる要因となります。特に成果を上げている営業担当者ほど、商談や提案書の作成など、本来の営業活動のために時間を確保したいところです。

例えば、夜遅くまでかかる商談後に詳細な報告書を作成したり、結果が出なかった日の報告内容を考えるのに時間を費やしたりすることは、決して効率的とは言えません。また、細かすぎる記載事項や複雑な書式も、作成時間を増加させる原因となっています。

この問題を解決するためには、報告すべき重要項目を明確にし、シンプルな書式の採用が効果的です。それに加えて、日報作成を習慣化し、負担を軽減するためのいくつかのコツがあります。

<営業日報の作成を習慣化し、効率化するTIPS>

  • 毎日決まった時間に作成する:例えば、終業前の15分を『日報作成タイム』と決め、ルーティン化しましょう。記憶が新しいうちに書くことで、思い出す手間も省けます。
  • スキマ時間を活用してメモを取る:商談直後や移動中などに、スマートフォンやメモ帳にキーワードだけでも記録しておくと、後で日報をまとめる際に非常に役立ちます。
  • テンプレートを活用する:毎回ゼロから作成するのではなく、あらかじめ項目が設定されたテンプレートを利用することで、入力の手間を大幅に削減できます。特に情報共有ツールでは、カスタマイズ可能なテンプレート機能が用意されていることが多いです。
  • 音声入力機能を試してみる:スマートフォンやPCの音声入力機能を使えば、キーボード入力よりも速く内容を記録できる場合があります。特に所感などの自由記述部分で有効です。
  • 完璧を目指さない:最初から完璧な日報を書こうとすると負担が大きくなります。まずは重要なポイントを押さえて記録することを優先し、徐々に質を高めていく意識で取り組みましょう。

営業日報のデジタル化・ツール活用のメリット

MERIT

ここまで営業日報の重要性や書き方について解説してきましたが、『日報作成や管理が依然として負担…』『Excelや紙の日報では情報共有がうまくいかない…』といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。こうした課題を解決し、営業日報の効果を最大化するのが、デジタルツールを活用した運用です。具体的にどのようなメリットがあるのか、従来の方法と比較しながら見ていきましょう。

従来の方法(Excel、紙)の課題点

  • 共有の手間とタイムラグ(メール添付、手渡しなど)
  • 検索性の低さ(過去の情報の参照が困難)
  • 同時編集ができない、版管理の煩雑さ
  • フォーマットの不統一、入力ミスの発生
  • リアルタイムなフィードバックの難しさ
  • データの集計・分析の手間
  • 紛失・情報漏洩のリスク

デジタルツール活用のメリット

  1. リアルタイムな情報共有とアクセシビリティ向上

作成された日報は即座にチーム全体に共有され、いつでもどこでも(PC、スマホ、タブレットから)最新情報を確認できます。これにより、迅速な意思決定や連携が可能になります。

  1.  高度な検索機能による情報活用の促進

キーワード検索、タグ検索、期間指定検索など、多様な検索オプションにより、過去の膨大な日報データの中から必要な情報を瞬時に探し出せます。これにより、過去事例の参照や顧客情報の確認が容易になります。

  1. データの一元管理と分析による戦略立案支援

営業活動データが一元的に蓄積され、集計や分析が容易になります。売上傾向、成約パターン、課題などを可視化し、データに基づいた営業戦略の立案や改善に繋げられます。

  1. テンプレート活用と入力支援による作成効率の大幅アップ

標準化されたテンプレートや入力補助機能(選択式、前回内容の引用など)により、日報作成にかかる時間を大幅に削減できます。営業担当者は本来の営業活動により多くの時間を割けるようになります。

  1. コミュニケーションの活性化とフィードバック文化の醸成

日報に対するコメント機能や「いいね!」などのリアクション機能により、上司や同僚からのフィードバックが活発になり、双方向のコミュニケーションが促進されます。これにより、学びの機会が増え、チーム全体のモチベーション向上にも繋がります。

  1. セキュリティ強化とコンプライアンス対応

アクセス権限設定、ログ管理、データの暗号化などにより、機密情報を安全に管理できます。ペーパーレス化による物理的な紛失リスクも低減します。

<従来の方法(Excel/紙)」と「デジタルツール」の機能や効果の比較表>

Excel/紙 デジタルツール
情報共有 △(手間、タイムラグ) ◎(リアルタイム、簡単)
検索性 ×(困難) ◎(キーワード、タグ検索)
データ分析 △(手作業) 〇(自動集計、可視化の基盤)
作成効率 △(手入力、フォーマット不統一) ◎(テンプレート、入力支援)
コミュニケーション ×(別途必要) 〇(コメント、リアクション機能)

このように、営業日報のデジタル化は、単なる効率化に留まらず、営業活動の質そのものを向上させる大きな可能性を秘めています。特に、情報共有とナレッジ活用に特化したツールを選ぶことが、その効果を最大限に引き出す鍵となります。

次にご紹介する『DocBase』は、まさに営業日報の作成・共有・活用をトータルでサポートし、チームの成果を最大化するために設計されたツールです。

営業日報を効率化するなら『DocBase』がおすすめ

DocBaseLP

ここまで見てきた方には、営業日報の重要性が理解いただけたと思います。問題は営業日報の作成に多くの時間を取られることです。そこでおすすめしたいのが『DocBase』です。

DocBaseは、直観的な操作性と豊富な機能を兼ね備えたナレッジ共有ツールです。営業日報の作成から編集、共有までの作業がスムーズに進められるため、従来の作成時間を大幅に削れます。例えば、テンプレート機能を使えば営業日報のフォーマットを統一でき、スマートフォンからも手軽に入力可能です。

また、検索機能が充実しているため、過去の商談記録や成功事例の参照も容易です。チーム内での情報共有やフィードバックもリアルタイムで行えるため、コミュニケーションの活性化にも役立ちます。

まずは無料トライアルから始めてみることをおすすめします。きっと、あなたの営業活動をより効率的で効果的なものにできるはずです。

日報作成・共有を目的としたDocBaseの活用事例

DocBaseは営業日報としても活用されており、いくつかの企業で導入事例が報告されています。ここではいくつかの企業における、具体的な活用例とそこから得られた効果についてまとめました。

  • 株式会社インフラトップ様

テックスクールを主催しているインフラトップ社様では、マーケティングチームがDocBaseを活用しています。マーケティングチームでは、日報で何に何時間かけたかを細かく記録し、一週間ごとの時間配分を見て、翌週の計画にフィードバックするという業務効率を定量的に測る取り組みを行っています。これは営業活動においても、日々の活動時間の内訳を記録し、振り返りに活用する日報の形式として参考になるでしょう。

事例を読む 【事例】『DocBaseに投稿することがかっこいい』という風土を作りました

  • 株式会社サイバード様

主にゲーム事業やコンテンツ事業を展開しているサイバード社様では、DocBaseを日報・議事録として活用しています。困っていることを気軽に共有する場所としてDocBaseが機能しており、問題解決が早くなったと感じられています。日報で日々の業務状況や困りごとを共有することで、チームメンバーが互いにサポートしやすくなる効果が期待できます。

事例を読む 【事例】困っていることを気軽に吐き出せる場所 | DocBase ナレッジ共有・情報共有ツール

  • 株式会社エングラフィア様

ソフトウェア開発やWeb制作などを行うエングラフィア社様も、DocBaseを日報・議事録として活用しています。DocBaseは、「Markdownで書ける」、「タグやグループで権限設定ができる」、「差分を確認できる」など、情報共有に必要な機能が揃っている点が導入の決め手になりました。日報においても、これらの機能は文書の構造化や共有範囲の設定、過去の記録の確認などに役立ちます。

事例を読む 【事例】本棚から本を探すような感覚で、欲しい情報を探せます

  • 株式会社マンションマーケット様

中古マンションの相場情報サイト運営や仲介業務を行うマンションマーケット社様では、DocBaseを日報・議事録としても利用しています。日報などを通じて情報を共有することで、属人化の解消や暗黙知の共有が進んだと考えられます。特定の営業担当者しか持たない顧客情報や商談のノウハウなどを日報に記録・共有することで、チーム全体の営業力向上が期待できます。また、「社内インフルエンサー」を選定して積極的にメモを書いてもらうことで、他のメンバーの投稿を促したという導入の工夫も行われています。

事例を読む 社内インフルエンサーを選定して、他のメンバーの投稿を促しました株式会社マンションマーケット様

  • 株式会社MUGENUP様

クリエイターのクラウドソーシングプラットフォーム事業を行うMUGENUP社様でも、DocBaseは日報・議事録を含む情報共有に活用されています。DocBaseを使うことで、誰が何をやっているか分かるようになり、オープンな情報共有が進んでいます。日報によって個々の営業担当者の活動が見える化されることは、チームリーダーが状況を把握しやすくなったり、他のメンバーが参考にしたりすることにつながります。属人化の解消や暗黙知の共有にも役立っています。

事例を読む 【事例】誰が何をやっているかわかるオープン・マインドなMUGENUPの新聞 | DocBase ナレッジ共有・情報共有ツール

  • 株式会社いい生活様

不動産事業者向けWebサービスを開発・提供しているいい生活社様も、DocBaseを日報・議事録として活用しています。部署を越えた情報共有が課題だった中でDocBaseが導入され、エンジニア、営業、サポートスタッフが一体となったチームでの情報共有の場を提供できています。営業担当者とエンジニア、サポートスタッフの間での情報連携は重要であり、日報を通じてそれぞれの活動状況や顧客からのフィードバックなどを共有することは、大きなメリットになります。

事例を読む 総勢300人のエンジニア、営業、サポートスタッフが一体に。共有した知識で専門外のことも教え合うチームへ | DocBase ナレッジ共有・情報共有ツール

これらの事例から、DocBaseを営業日報として活用することで、単なる活動報告に留まらず、チーム全体の状況把握、困りごとの早期発見、業務効率の分析、属人化の解消、情報共有文化の醸成、新人のオンボーディングや教育コスト削減、部署間・チーム間の連携強化といった効果が期待できます。DocBaseに興味をお持ちの方はぜひ、トライアルから始めてみてください!

監修

DocBase編集部
DocBase編集部

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