暗黙知や経験則をドキュメント化する文化が根付き、手戻りや新人教育の時間が激減伊藤忠テクノソリューションズ株式会社様
1分でわかるダイジェスト
業種 | システムインテグレーター |
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導入範囲 | 新規サービス開発チーム (エンジニア、営業、カスタマーサクセス含) |
課題 | マネージャーとエンジニアの間で認識の齟齬があり、手戻りが発生した |
使い方 |
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効果 |
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目次
伊藤忠テクノソリューションズ様の事業内容について教えてください。
主にシステムインテグレーターとして、受託開発をおこなっています。
海外、アメリカの最先端の技術とニーズを組み合わせてソリューションを提供しています。
クライアントの領域は幅広く、情報通信業から製造業、金融の企業様からの依頼も請けています。弊社はコンサルティングから開発まで、すべての工程をワンストップで提供できるのが強みです。
弊社は基本的には受託開発をしているのですが、最近は新規サービスの開発にも力を入れています。我々はその新規サービス、Tocaroを開発する部署に所属しています。
DocBase導入以前の情報共有ではどんな問題があったか教えてください。
Tocaroは最初、弊社と協力会社さんの2社で開発していました。今まで特に情報共有ツールは使っていなくて、チャットとプロジェクト管理ツールで要件を決めたりやりとりをしていました。
ただ新機能の開発や不具合の修正をスピーディにしていこうとする中で、開発者と仕様を決める人たちの間で認識の齟齬があり、手戻りが発生することがありました。そのころはチームが立ち上がったばかりで、あまり丁寧な設計書を書く時間もありませんでした。
開発スピードを維持しつつ、何か記録を残す場所が必要だと感じて、情報共有ツールを探しはじめました。
DocBaseを導入した理由を教えてください。
Tocaroを一緒に開発していた協力会社さんから教えていただきました。実は弊社の社員にDocBaseの開発チームと繋がりのある人がいて、その人からの紹介もあり使いはじめました。
DocBaseをどのように利用されているか教えてください。
マネージャーとエンジニアとの認識合わせや手順書に活用
導入当初はエンジニア十数名で使い始めました。開発する機能についての要件をまとめたり、「こういうことをやりたいので、こういう機能が必要です」と仕様をまとめて、マネージャーとエンジニアの間で認識合わせをする、といった使い方でした。
最初はエンジニアとマネージャーしかいなかったのですが、営業チームなどから依頼を受けることもあったんです。当時はDocBaseに営業チームは入っていなかったので、メールやチャットでやりとりをしていましたが、やはり行き違いが生まれてしまうことがありました。そこで営業やカスタマーサクセスなどのメンバーもDocBaseに招待して、依頼内容をメモで書いてもらうようにしました。
メンバーは増えましたが使い方の目的は変わっていないです。各チームで決めたことや相手に伝えたいことをまとめたり、仕様のすり合わせや手順書の共有などに使っています。
協力会社も招待し、疑問点のやりとりをスムーズに
協力会社さんにもDocBaseに参加いただいて、メモを書いてもらったり、こちらが書いたメモに不明点などをコメントしてもらったりしていました。
協力会社さんがいたころはみんなが開発メンバーで、メモの権限を分ける必要がなかったので、あまりグループは使っていなかったんです。今は弊社だけで開発していますが、他部署のメンバーが増えていろんな属性の人がDocBaseを見るようになったので、チームごとにグループを分けたりするようになりました。
1つのメモを育て、継続的に見られる重要な情報に
一番よく見られているのは、データベースの要件をまとめたメモですね。こちらは随時アップデートされていて、長い間読まれています。もう1つはいろんな手順書を網羅的にまとめたメモですね。こちらもずっとメンテナンスされていて、継続的に見られているメモの1つです。
DocBaseを導入することで組織に起きた変化があれば教えてください。
暗黙知や経験則をドキュメント化するのが当たり前に
もうDocBaseを使い始めて5,6年経ちますが、何かあればメモに書いておく文化ができていると感じます。最初期に使っていたメンバーが仕様や決まったことなどを継続的にメモに残してくれていたので、それにならって後から入ったメンバーも自然とメモを書くようになりましたね。
新人がDocBaseで欲しい情報を見つけられたり、情報がなかった場合でも、関連する情報を見つけてそれを書いた人に聞いたりできるようになりました。「◯◯の情報はこの人しか知らない」といった話がだいぶ少なくなったので、チームの雰囲気もよくなってきていると思います。
今まで社内の他部署では、あまりナレッジ共有をする文化がなかったんです。仕事の引き継ぎがうまくいかなかったり、誰かが以前にやったことを他の人は知らない、といったことはよく耳に入ってきました。
今では決まったことがDocBaseに共有されていて、みんなの暗黙知や経験則がちゃんと明文化されている。そして、誰でもその知識を得られる。そのような状況を作れています。
DocBaseにあった手順書のおかげで、新人に教える時間が2日から3時間に
新人に教える時間もかなり減りました。
ちょうど今月、カスタマーサクセスのチームに新しいエンジニアが増えたんです。他のプロジェクトから来たメンバーだったので、開発環境がまったくできていない状態でした。まずはPCの環境構築から教える必要があったのですが、私自身このプロジェクトに入ったのがだいぶ前だったので、環境構築手順を覚えていませんでした。
ですが、DocBaseを探してみたら去年の新人が環境構築の手順をメモに書いてくれていたので、今年の新人にはそのメモを読んでもらいました。
以前は新人の環境構築を手伝うのに1,2日かかったりしていたのですが、そのときは2,3時間ですんだので、とても楽でしたね。
組織への導入時に工夫したことを教えてください。
すべての情報がDocBaseに集まるよう意識
チームで話し合ってから導入したので、あれこれ工夫しなくてもみんな使ってくれましたね。ただ、ちょっとした連絡をそのままチャットのほうでやってしまうので、それをまるっとコピーしてDocBaseに転記したりはしていました。基本的には「DocBaseにすべての情報が集まっている」状態を作るよう意識はしていました。
誰でも使えるほどわかりやすかったので、苦労せず使ってもらえるように
DocBaseは画面がすごくシンプルなので、どこからメモを作ればいいかわかりやすいです。探し方も、グループ・タグ・メンバーで絞り込めるのでわかりやすいですね。そういった「誰でも使えるようなわかりやすさ」が、非エンジニアのメンバーにもスムーズに使い始めてもらえたポイントだと思います。
DocBaseのお気に入りの機能を教えてください。
差し込みメモを使って関連する情報を簡単に紐づけ
メモの差し込みはよく使っています。
メモ自体をそのままアップデートすることもありますが、そこからより大きな話題になると、新しいメモを作ってそのメモを差し込んでいます。「もともとこういう経緯があったよね」と引用するようなイメージです。
新しいプロジェクトがまっさらな状態から始まることって意外と少なくて、もともとあるプロジェクトから広がることが多いです。そういった経緯を一緒に書けるので、メモの差し込みはよく使いますね。
編集履歴、外部共有など必要な機能が充実
あと、開発チームで使っていたので、マークダウンで書けたり、UMLが使えたりするのがよかったです。メモを修正したときの差分がちゃんとわかりますし、アカウントを持っていない上司にも外部共有でメモを見せられます。いろいろな細かい機能がちゃんと揃っているので、メンバーが継続的に使ってくれているのだと思いますね。
DocBaseを使ってくれるようになった要因は、いろいろあるとは思いますが、1つはちゃんと必要な機能が揃っていたことだと思います。
DocBaseの運用について、現在課題や悩みがあれば教えてください。
困っているというか希望ですが、注釈が書けたら便利だなと思います。メモの差し込みだとメモ自体が増えてしまいますし、普段は見えていなくていいので、同じメモ内で必要なときだけ注釈にアクセスできるといいなと思います。
(編集部注:新エディターで注釈が使えるようになりました)
掲載日:2023年09月11日