テレワークを快適にするビジネスチャットツール!機能と利用ポイント
テレワークを推進する企業が増える一方で、オフィスワークと比較すると気軽に相手に声をかけづらくなり、コミュニケーションが低下してしまうという課題が見られます。この課題を改善するための施策として、効率良くかつ円滑にコミュニケーションができる「ビジネスチャットツール」の導入があります。
そこで、今回の記事ではビジネスチャットツールがどういったものなのか、またどのように活用することで、業務パフォーマンスの向上や理想的なテレワーク環境が構築できるのか、ビジネスチャットツールの機能やノウハウを解説していきます。
目次
ビジネスチャットツールのメリットや主な機能
ビジネスチャットツールとは
ビジネスチャットツールは、スマートフォンやパソコンなどの情報通信機器を介してテキスト情報をやり取りして、いつどこでもコミュニケーションが図れるツールのことを言います。
電話やメールよりも迅速にリアルタイムでのやり取りが可能なので、企業の導入が進んでいますが、離れた場所同士でも気軽にコミュニケーションが取れるため、近年ではオフィスワークに限らずテレワークの必携ツールとしても注目されています。
ビジネスチャットツールのメリット
ビジネスチャットツールを利用することで、下記3つの効果が期待されます。
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スムーズにコミュニケーションが図れる
- 個々人の生産性向上だけでなく、チームや組織における業務連携も図られます。
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より良い働き方を推進できる
- テレワークや遠隔での業務が可能となるので、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上を可能にし、多様な働き方が推進されます。
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セキュリティに配慮した機能が提供されている
- メジャーなビジネスチャットツールは、アクセス制限や2段階認証、データの暗号化などセキュリティ機能が提供されています。
なお、ビジネスチャットツールは、コミュニケーションの流れが早いため情報を逃しやすい懸念もあります。チャットでやり取りした重要な情報は別のドキュメントにまとめてストックしておくなど、情報共有のあり方も工夫しましょう。
ビジネスチャットツールの主な機能
ビジネスチャットツールは、テキスト情報をやり取りする機能だけでなく、より使いやすく、業務効率の向上を図るための機能も充実しています。
<ビジネスチャットツールの主な機能>
- テキストチャット
- 音声・ビデオチャット
- リマインダー
- スレッド
- メンション
- ファイル共有
- スニペット
1.テキストチャット
メールでは「いつもお世話になっております」「●●株式会社の田中です」「よろしくお願いいたします」など、細かな定型文が必要とされますが、ビジネスチャットはカジュアルに迅速なコミュニケーションが図れるため、効率良く物事を進めていくことが可能です。
またビジネスチャットには、1対1のやり取りだけでなく、部署やグループで会話ができるグループチャット機能もあります。「誰に聞いていいか分からないちょっとした質問」や「会議をするほどではないが、アイデアを集めたいブレスト」といった場面などで、複数人と効率的にコミュニケーションを図りたい時に有効な機能です。
2.音声・ビデオチャット
テキストではコミュニケーションしづらいケースを想定して、音声や映像によるチャット機能も用意されています。
3.リマインダー
計画している予定や会議を設定した特定の日時に知らせてくれる機能です。スケジュールを指定アカウントに事前通知することで、会議忘れや納期遅延などを防止してくれます。
4.スレッド表示
1つのチャットで複数人からの返信があり、複数の会話がやり取りされる場合、どの内容に返信すべきか分からなくなることがあります。こうした場合のためにスレッド機能が用意されています。各メッセージに対してスレッドを立てることで、スムーズな会話が可能となります。
5.メンション
グループ内で会話を行う際に、読んでほしい相手を指定して、その相手に向けてチャットを送ることができる機能です。メンション機能によって相手が内容に気付きやすくなり、伝達漏れが削減されます。
6.ファイル共有
チャットによる対話のみならず、ワードやエクセル、画像や動画ファイルのアップロードも可能です。
7.スニペット
投稿時の長文を見やすくする機能です。プログラムソースコードが見やすくなるのでプログラマーによく活用されています。
ビジネスチャットツールの種類
ビジネスチャットツールには、それぞれ特長があるため、業務においてどのような機能が必要かを十分検討した上で、ツールを選定することが大切です。ここではビジネスチャットツールで代表的な「Slack」と「Chatwork」を紹介します。
(1)Slack(スラック)
Slackは、使いやすく洗練されたUIで、国内外を問わず利用されているビジネスチャットツールです。無料プランでは「検索可能な10,000件のメッセージ、10個のアプリとインテグレーション、1対1のビデオ通話と2要素認証」などが利用可能です。
(2)Chatwork(チャットワーク)
Chatworkは、日本産のビジネスチャットツールです。日本産ということもあり国内企業に多く利用されています。無料プランでは「コンタクト無制限、累計14グループチャット、1対1でのビデオ通話・音声通話、2段階認証、5GBストレージ」などが利用可能です。
ビジネスチャット以外のテレワークの業務パフォーマンスを向上させるICTツールについては以下に紹介しています。
ビジネスチャット以外のテレワークの業務パフォーマンスを向上させるICTツールについては以下に紹介しています。
セキュリティの運用ルールを決めよう
ビジネスチャットツールを利用するに当たっての注意点が、情報セキュリティにおける問題です。ビジネスチャットツールを活用する上でセキュリティに配慮した運用ルールを定めておくことが重要です。
セキュリティにおける運用ルールのポイントは大きく分けて2つあります。
- 社員が使用する機器や業務環境の管理
- 社内情報アクセスへの認証
この2点に関してそれぞれに「ソフトウェアを活用した技術的視点」と「社員の行動・意識的な視点」の両面から検討するのがポイントです。具体的に紹介します。
社員が使用する機器や業務環境の管理
【技術面】
「暗号化」・「ログ」・「管理ソフト」などの機能を有するソフトウェアを導入することで、セキュリティ体制を強化します。
【行動・意識面】
「誰でも閲覧できるドキュメントでは、他社の名前など特定情報は伏せて記述する」、「自宅やコワーキングスペースなどでWeb会議や音声通話をする場合には、ヘッドセットを活用して外部に情報が漏れないように配慮する」、「企業から貸与されたPCやタブレット・スマホは、紛失しないように保管場所を決めておく」といった施策が必要です。
社内情報アクセスへの認証
【技術面】
外部から社内情報へアクセスする際には、情報漏洩の危険性が高まります。「ユーザー認証」や「端末認証」などの認証機能を導入して、セキュリティを強化しましょう。
【行動・意識面】
外部から情報が盗まれないように「視認角度を制御できるプライバシーフィルターを活用する」、「メンバーへのアクセス権の設定を行い管理を徹底する」といった施策が必要となります。
テレワークでのビジネスチャットツール活用ポイント
テレワークにおけるビジネスチャットツールの活用には2つのポイントがあります。
- 心理的安全性を担保する(※出典1)
- 効率化を図る
(※出典1:心理的安全性:無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だと信じられるかどうかを意味する対人関係における個人の認知の仕方。出典:Google re:Work – ガイド: 「効果的なチームとは何か」を知る)
心理的安全性を担保する
心理的安全性を保つための施策には以下のような取り組みが挙げられます。
- スタンプ機能や絵文字を活用して感情表現を!
- 雑談の機会を設ける
- 必要に応じてビデオチャットを活用する
- チャットの利用時間を徹底する
1.スタンプ機能や絵文字を活用して感情表現を!
スタンプや絵文字を入れることで、文章に感情が生まれます。感謝の気持ちを伝える際には、積極的にスタンプや絵文字を活用しましょう。スタンプや絵文字は、感情表現だけでなく、文字量を減らすこともできるため、業務効率化にもつながります。
2.雑談の機会を設ける
ビジネスチャットツールはメールよりカジュアルに利用できるので、業務の話題だけでなく、ちょっとした雑談をするのもお勧めです。気軽なコミュニケーションのやり取りが働きやすさにつながっていきます。
3.必要に応じてビデオチャットを活用する
込み入った話題やブレスト、業務依頼などの重要な会話は、テキストチャットだけでなく、ビデオチャットを活用して、なるべくお互いの顔を見せながら、意思疎通を図ることが大切です。
4.チャットの利用時間を徹底する
チャットは、いつどこでも利用が可能な自由度が高いツールです。仕事とプライベートをしっかり区別するためにも、企業内で利用時間を定めたり、就業時間外は「通知オフ」の機能を設定してもよいでしょう。
効率化を図る
テレワークの効率化を図るため施策として、下記3つの点に注力しましょう。
- 情報共有ツールを併用する
- 定型文例はフォーマット化する
- ビデオチャットを活用する
1.情報共有ツールを併用する
ビジネスチャットツールにあらかじめ用意されている機能だけでなく、情報共有ツールやチャットボット、来客受付システムなどの他ツールと連携して、より効率的に業務パフォーマンスを向上させることが可能です。
6つのチャットサービスと連携している「DocBase」は、ビジネスチャットツールをアシストしてくれる情報共有ツールです。興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
6つのチャットサービスと連携している「DocBase」は、ビジネスチャットツールをアシストしてくれる情報共有ツールです。興味をお持ちの方はこちらをご覧ください。
2.定型文例はテンプレート化する
挨拶や定型文は文例をテンプレートに登録しておくことで、チャットのやり取りがスピーディーになります。
「了解しました」「よろしくお願いします」などの多用する挨拶は、スタンプ機能を活用して、リアクションを表現するようなルール決めを行ってもよいでしょう。こうした標準化できるものを会社全体に浸透させることで、業務パフォーマンス向上につながります。
3.ビデオチャットを活用する
テキストチャットによるコミュニケーションが難しい場合には、ビデオチャットを活用して、直接コミュニケーションを図りましょう。話のボリュームが多い場合や内容の理解が難しい場合には、直接話す方が効率が良いこともあります。
まとめ
ここ近年、DX推進や働き方改革、COVID-19の影響に伴い、ビジネスチャットツールは、テレワークにおいてなくてはならない存在となりました。
メールというコミュニケーションの図り方が決して悪いわけではありません。ただこれまでのコミュニケーションの在り方に依存し過ぎしてしまうと、業務効率化や新たな働き方を推進することが難しくなります。
ビジネスチャットという新たなツールの機能・利用すべきポイントをしっかり抑えて、テレワークにおけるコミュニケーションの図り方を最適化し、業務パフォーマンスを向上させていきましょう。