「テレワークとは?」言葉の意味や種類など、その概要を理解する
この記事はテレワークの知識がない初心者の方に向け、テレワークとは何かその意味、テレワークにおける具体的なワークスタイルの分類について紹介します。
また記事の最後に経済産業省や総務省が作成しているテレワークを導入・実践するための資料のリンクを複数紹介しています。テレワークを検討されている方は、ぜひリンク先の資料もご活用ください。
目次
テレワークとは何か。必要とされている理由は?
総務省による情報通信白書では、「テレワークとはICTを活用した、時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方のことである」(※)とされています。テレワークは「tele=離れたところで」と「work=働く」を合わせた造語です。
日本ではテレワークともにリモートワークという言葉も使われていますが、基本的には同じ意味の言葉として扱われています。
※:平成28年版情報通信白書 第4章 ICTの進化と未来の仕事
ちなみにICTとは、「Information and Communication Technology」の略で、通信技術を活用したコミュニケーションを意味します。
インターネットが重要な社会インフラとして役割を果たすようになり、スマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスの登場とともに、ICTはビジネスや日常生活において必要不可欠な存在となりました。ビデオチャットやメッセージアプリ、社内WikiやSNSなどのようなツールを活用して、私たちはICTを実現しています。
このICTのひとつの形として、「時間と場所にとらわれないワークスタイルを実践する」のが、テレワークの目指すところです。
在宅勤務はもちろんのこと、通勤や打ち合わせの移動途中の隙間時間でのモバイルワーク、シェアオフィスやコワーキングスペースといったサテライトオフィスの活用など、時間と場所に制限されない多様なワークスタイルがテレワークで可能となります。
これまで当たり前とされてきた「出勤してオフィスで仕事をする」という常識も、すでに当たり前ではなくってきています。
このテレワークという働き方は、一般企業だけでなく、総務省などが情報発信して啓蒙するなど普及に注力しています。では、なぜテレワークがこれほど必要とされているのでしょうか。
テレワークが必要な理由は、
- ワークライフ・バランスの実現
- 人口減少による労働人口の確保
- 地域活性化の支援
- 従業員の生産性向上
など、多様な人材の社会参画を促し、企業や社会の抱えている課題の解消が期待されているからです。
このようにテレワークが注目されてはいますが、総務省の令和元年版『情報通信白書』によると、企業の導入率は19.1%。テレワークが十分に普及しているとはいいがたい状況です。(※)。
※:令和元年版『情報通信白書』 第2章 Society 5.0が真価を発揮するために何が必要か
テレワークの3つの種類
テレワークは働く場所によって3種類に分類されます。
- 在宅勤務・部分在宅勤務
- モバイルワーク
- サテライトオフィス・施設利用型勤務
これらをどのように選択するか、どのように組み合わせて組織やチームのワークスタイルを改善していくか、それぞれの特長やメリットを把握する必要があります。
1.在宅勤務・部分在宅勤務
在宅勤務や部分在宅勤務は、文字通り自宅で働くことを指します。部分在宅勤務とは、一度オフィスに出勤して会議などに参加後、帰宅して仕事をするような勤務形態です。
在宅勤務や部分在宅勤務は通勤負担の軽減がメリットとして挙げられます。
例えば、従業員が健康を損なったり、家庭の事情で通勤が困難なケースでも就労継続の助けとなります。あるいは災害やパンデミックといった想定外の状況が発生した場合でも、損害を最小限にとどめて事業を早期普及・継続していく手段となります。
また、インターネットやデジタルデバイスの普及により、そもそも企業の用意したオフィスに出勤して仕事をする必要がなくなっている場合もあるでしょう。
在宅勤務や部分在宅は、企業が用意したオフィス起点の働き方に左右されない、働き方において選択肢を増やす形態とも言えます。
2.モバイルワーク
モバイルワークとは、移動中の交通機関の車内や顧客先、カフェなどで仕事をする働き方です。外勤や移動が多い業務では、出先での打ち合わせの合間や移動中といった隙間時間の活用を実現するモバイルワークが生産性の向上につながります。
例えば、遠方に出張した際などは時間をかけてオフィスに帰るよりも、出張先にあるコワーキングスペースやカフェなどで移動時間分の仕事をすれば、勤務時間の業務効率を上げることができるでしょう。
モバイルワークは、外勤や出張の多い従業員の業務効率や働きやすさを改善していくための形態です。
3.サテライトオフィス・施設利用型勤務
サテライトオフィスや施設利用型勤務とは、事業所以外の場所にテレワーク専用のスポットオフィスのスペースを設けたり、複数の企業がシェアする共用型のシェアオフィスを契約して活用する形態のことです。
例えば、地方の人材活用や、都心のオフィススペースの節約、郊外に居住する従業員の働きやすさ改善などのメリットが期待できる働き方です。
テレワークの理解と導入のために
当記事ではテレワークとは何か、その意味合いとと場所や時間により分類される代表的な種類をご紹介しました。テレワークを利用した働き方は、これから国内でもさらに広がっていくことが予想されています。
仕事に合わせた適切なテレワークを選択し、業務に役立てるために、最後にいくつかの参考となりそうなリンクを掲載しておきます。テレワークの理解や導入を考えている方には活用いただけるはずです。
参考資料
テレワーク総合情報サイト「Telework Net」総務省
テレワークの情報を集めたポータル的なサイト。ガイドブックや導入事例、普及動向など一通りの情報が集約されています。
平成28年版『情報通信白書』第4章 ICTの進化と未来の仕事(総務省 PDF)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h28/pdf/n4100000.pdf
ICT現況やテレワークの導入状況などが掲載されています。
情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書(総務省 PDF)
https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf
各企業のテレワーク導入・普及を推進するために必要な知識やプロセス、留意点を盛り込んだ手順書。
令和元年版 『情報通信白書』のポイント (総務省)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nb000000.html
総務省が毎年発表している『情報通信白書』の令和元年版のサマリー。ICTの現況などが簡潔に把握できます。
新型コロナウイルス感染症対策 テレワーク導入お役立ち情報(経産省 PDF)
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200312003/20200312003-1.pdf
新型コロナウイルスにともなったテレワーク導入に際して役立つ各種サイト「テレワークにあたっての相談窓口」「就業規則・労務管理」「助成金」「IoT・セキュリティ」「関係団体」が紹介されています。