自宅のテレワーク環境を快適に!最適な環境作りと改善ポイントとは
2019年から施行された働き方改革や2020年に発生したCOVID-19(コロナウイルス感染症)の影響によって、テレワークを導入する企業も増えています。しかし、実際に自宅でテレワークを行うことで、「業務に集中しにしづらい」、「体調不良になった」など、さまざまな問題が生じているようです。
そこで本記事では、自宅におけるテレワークの環境にはどのような問題が潜んでおり、テレワークの環境を快適にするために、それらの問題をどのように解決できるのか解説していきます。
目次
1.テレワーク環境に見られる4つの問題点
自宅でテレワークを行うに当たって、大きく分けて4つの問題点が挙げられます。
<自宅におけるテレワーク環境:4つの問題点>
- 作業環境が整っていない
- システム環境が整っていない
- ICTツールの利用環境が整っていない
- セキュリティ環境が整っていない
「作業環境」「システム環境」「ICTツールの利用環境」「セキュリティ環境」のそれぞれにさまざまな問題が潜んでいます。そこで、この4つの問題点をさらに詳しく掘り下げて、その課題と解決方法について詳しく解説していきす。
2.テレワーク作業環境の問題点と解決策
作業環境の問題点
作業環境に関しては、主に下記のような問題があります。
- 身体に負荷がかかる(姿勢の乱れ)
- 照明が暗い/明るすぎる
- 空調が悪い
- 子供や周囲の雑音が気になる
自宅でのテレワークは、そもそも業務や作業をするための環境となっていないので、身体への負担、照明、空調、雑音など、いくつもの問題が発生します。自宅でテレワークをする際には、業務や作業が違和感なくできる環境かどうか、一度見直してテレワークを行うようにしましょう。
作業環境の解決策
自宅でのテレワークにおける作業環境については、厚生労働省がまとめたポイントが公開されています。こちらでその内容について整理してご紹介します。詳しく知りたい方は、厚生労働省のサイト「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」を参照ください。
<自宅での作業環境を整える場合にすべき対策>
1).部屋の室温とスペースの確保
部屋の環境は、周囲の雑音をシャットアウトするためにも、扉の開閉がある部屋を使用し、設備が占める容積を除き10m3以上のスペースが望ましいとあります。室温は17~28℃に調整し、湿度は40~70%になるように努め、体調に留意します。
2).窓の設置・換気
窓が設置されていて、換気のできる環境が望ましいとあります。またディスプレイに日光が直接入射する場合には、ブラインドやカーテンを設置します。
3).机・椅子・PCの調整
机は、必要なものが置ける広さがあるものにし、作業中に足が窮屈でない空間を確保しましょう。椅子は、安定していて簡単に移動できるもの、座面からの高さを調整できるもの、背もたれがあり、肘かけがあるものを使用しましょう。
PCを使用するに当たっては、キーボードとディスプレイは分離して、位置を調整できるものが望ましいとあります。ディスプレイと40cm以上の視距離を確保しましょう。またPC作業が過度に長時間にならないように意識することも大切です。
4).照明やディスプレイの照度の調整
机上の照度は300Lux以上、ディスプレイの照度は500Lux以下が目安です。ディスプレイは、輝度やコントラストが調整できるものを使用しましょう。
3.テレワークのシステム環境の問題点と解決策
システム環境の問題点
システム環境が整っていない問題に関しては、主に下記3つが挙げられます。
- ネットが遅い
- PCの動作が遅い
- PC越しに話しづらい・聞き取りづらい・見づらい
ネット回線やPCの動作が遅いと、クラウドサービスや自社サーバーへのアクセスを待たされ、作業効率が低下してしまう懸念があります。またWeb会議などで会話がしづらかったり、画面が共有しづらい問題があります。
システム環境の解決策
これらの問題を解決する方策として、次のことに注力して取り組むと効果的です。
- ネット回線の見直し
- PCの変更
- PC周辺機器の導入
ネット回線の遅延の場合は、ネット回線の見直しをお勧めします。利用されている回線が、CATV・ADSL・ポケットWi-Fi・テザリングの場合、光回線への変更を検討しましょう。
利用されているPCの処理速度が遅い場合は、PCメーカー各社から販売されているテレワーク対応のPCを検討するのがお勧めです。より快適な作業環境が必要な場合は、ヘッドセットやウェブカメラなどPC周辺機器の導入・見直しも検討しましょう。
4.ICTツールの利用環境が整っていない問題点と解決策
ICTツールが整っていないことの問題点
ICTツールの利用環境に関しては、下記2つの問題が挙げられます。
- コミュニケーションが取りづらい
- ドキュメントが共有しづらい
オフィスワークと異なり、テレワークでは直接、会話をすることができない環境でコミュニケーションを図る必要があります。またオフィスワークならドキュメントを紙でやり取りして済ませていた作業がテレワークではできなくなるため、紙のドキュメント共有がしづらいという問題があります。
ICTツールが整っていないことの解決策
テレワークの環境でも、コミュニケーションが取りやすく、ドキュメント共有がスムーズになるICTツールを活用しましょう。
テレワークでもオフィスワークと同等に充実したコミュニケーションを図るためには、チャットツールやWeb会議システムなどのICTツールを導入します。またドキュメント共有においては、Docbaseなどの情報共有が可能なICTツールを導入すると効果的です。
ICTツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事で紹介をしていますのでご確認ください。
5.テレワークセキュリティ環境の問題点と解決策
セキュリティ環境の問題点
セキュリティ環境の問題に関しては、下記3つが挙げられます。
- テレワーク時の情報管理に関するルール不備
- 外部からの攻撃に対する脆弱性
- 社内からの情報漏洩の懸念
テレワークでのセキュリティ環境の問題点としては、従業員以外の第三者が情報を閲覧できる可能性のある場所で作業を行う点にあります。
オフィスワークではセキュリティを強化したネットワークが用意され、IDカードでオフィスの出入りを監視するといった複数の対策がされているため、電子データなどの「情報資産」は適切な管理下に置かれています。しかし自宅でのテレワークは、環境そのものがウイルス感染や記憶媒体の紛失など多くの脅威にさらされやすくなります。
またオフィスワークから何の準備もせずにテレワークへ移行した場合、テレワークを想定した情報管理のルールが徹底されていないため、セキュリティに対する脆弱性が生まれ、情報漏洩などの事故にもつながりやすくなります。
セキュリティ環境の解決策
- テレワーク向けの情報管理に関するルール策定と徹底
- テレワーク時におけるICTツールを活用した業務改革
テレワークのセキュリティに関してルールを策定・徹底し、経営者・システム管理者および社員が、それぞれの立場で認識を高めることが大切です。
テレワークのセキュリティについては、テレワーク総合ポータルサイト(厚生労働省)の関連資料にテレワークセキュリティガイドライン(総務省/PDF)が公開されていますので、詳しくはそちらを参照ください。
企業が情報セキュリティ対策を行うに当たっては、保護すべき情報資産を洗い出し、どのような脅威や脆弱性、リスクがあるのかを十分に把握、認識した上で、体系的な対策を実施しましょう。
また紙のドキュメントの紛失などは、ICTツールを活用してデジタル化することで防げます。テレワークを機に業務をデジタルへと変革していくことも検討しましょう。
まとめ
自宅でのテレワークについては、「作業環境」・「システム環境」「ICTツールの利用環境」・「セキュリティ環境」の4つの環境における問題点が挙げられます。それぞれに行政のガイドラインや各社からサービス、製品が提供されており対策が可能です。
最初からテレワークがうまくいくとは限りません。従業員と企業が一丸となってテレワークに取り組んでいき、継続的に見直すことで、より快適なテレワーク環境を実現していきましょう。