クラウドによる情報共有のメリット・デメリットとは?導入事例も解説
最終更新日:2025年4月4日
クラウドによる情報共有に関心はあるけれど、何から始めればいいのか分からない。そんな悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
最近では、業務効率化やテレワーク対応の必要性から、クラウドでの情報共有を進めている企業も見られます。総務省の調査によると、企業の8割以上がクラウドサービスを利用しており、その85%以上が「効果があった」と回答しているデータも。
本記事では、クラウドでの情報共有の基礎知識から、メリット・デメリット、実際の導入事例まで、分かりやすく解説します。また、情報共有のクラウド化を検討している方に、最適なツール選びのヒントをお届けします。
【この記事を読んでわかること】
- 情報共有のクラウド化はセキュリティ面・運用管理の問題から注目されている
- 情報共有クラウドサービスにはSaaS、PaaS、IaaSがある
- クラウドサービスは情報共有がしやすく蓄積も簡単だが、一定のリスクやトラブルも把握しておきたい
- クラウドでの情報共有をうまく実践できれば、業務効率化が推進できる。実際に成功事例も多くある
目次
情報共有のクラウド化とは?

ITビジネスではよく話題になる「クラウド」。でも、実は何なのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか?
クラウドとは、ネット上でさまざまなサービスを利用できる仕組みのこと。身近な例では、iCloudやGoogleドライブなどがあります。これらを使えば、スマートフォンやパソコンなど、どの機器からでも必要なデータにアクセス可能です。
クラウドが登場する以前は、データは使っている機器の中に保存されていました。でも、クラウドでは、ネット上の保管場所にデータを置いておくので、いつでもどこからでも取り出せるのです。
例えば、会社のパソコンで作った企画書を、自宅のパソコンで確認したり、外出先のスマートフォンで編集したりできます。このように、クラウドを使って情報共有を行えば、より便利で柔軟な働き方が実現します。クラウドでの情報共有は、これからのビジネスに欠かせない存在となっているのです。
オンプレミス型・パッケージ型との違い
情報共有の方法を検討する際、よく耳にする「オンプレミス型」と「パッケージ型」。クラウド型との違いは何なのでしょうか?
まず、オンプレミス型は、会社の中にサーバーを設置する従来からある方式です。自社でシステムを管理できるため、セキュリティ面での安心感はありますが、設備の購入費用や保守費用のかかるのが悩みどころです。
一方、パッケージ型は、必要な機器やソフト、サービスをまとめて提供するものです。専門的な知識がなくても導入できる便利さはありますが、料金は割高になりがちです。
これに対してクラウド型は、必要な分だけ使えて費用も抑えられます。ただし、インターネットに接続できない環境では使えないという制限があります。
それぞれの特徴を理解した上で、自社に合った方式を選ぶことが大切です。予算や利用環境、セキュリティへの要求度などを考慮して、最適な選択をしましょう。
新しく導入を考えている方は、まずは無料のクラウドサービスを試してみるのがおすすめです。実際に使ってみることで、メリット・デメリットを実感できるはずです。
情報のクラウド化が注目される背景
最近、多くの会社がクラウドサービスを導入しています。この背景には、どんな理由があるのでしょうか?
総務省の2023年の調査によると、企業の8割近く(※)がクラウドサービスを利用しており、その数は年々増加しています。特に注目すべきは、クラウドを使っている会社の85%以上(※)が「効果があった」と実感していることです(※令和5年通信利用動向調査の結果より)。

従来の情報共有の方法には、さまざまな課題がありました。メールの添付ファイルサイズの制限や、ファイルのバージョン管理の難しさ、また、必要な情報がすぐに見つからないといった不便さです。
こうした悩みを解決するため、多くの企業がクラウドツールの導入に踏み切っています。特に人気なのは、ファイルの保管やデータ共有の機能です。社内の情報共有ポータルとしても活用されています。
実際に導入した企業からは、「情報共有がスムーズになった」「業務の効率が上がった」という声が多く聞かれます。時代の変化とともに、クラウドでの情報共有は、もはや選択肢の一つではなく、必須のツールになりつつあるのです。
情報共有クラウドサービスの3つの形態

情報共有のクラウドサービスには以下の3つの形態があります。
- SaaS(Software as a Service)
- Paas(Platform as a Service)
- IaaS(Infrastructure as a Service)
次からそれぞれについて具体的に解説していきます。
SaaS(Software as a Service)
クラウドサービスの形態の一つ、SaaS(サース)について分かりやすく説明します。
SaaSは「Software as a Service」の略で、必要な機能を備えたソフトウェアをネット経由で利用できるサービスです。私たちがよく使うGmailやiCloudも、実はSaaSの一つです。
最大の特徴は、すぐに使い始められる手軽さです。アカウントを作れば、その日から利用可能。ソフトのインストールや複雑な設定も必要ありません。
また、サービス提供側が自動的にバージョンアップを行ってくれるため、いつでも最新の機能を使えます。セキュリティ対策も提供側が担当してくれるので、利用者は安心して使えます。
一方で、細かい設定変更や独自の機能追加は難しいという制限もあります。そのため、導入前に自社のニーズとサービスの機能が合っているかを確認することが大切です。
料金は月額制が一般的で、利用人数や機能に応じて費用が変わります。初期費用を抑えて始められるのも魅力の一つです。
Paas(Platform as a Service)
次に、クラウドサービスの中でも、より柔軟な活用ができるPaaS(パース)について説明します。
PaaSは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションを動かすための基盤(プラットフォーム)を提供するサービスです。代表的なものには、Amazon Web ServiceやMicrosoft Azureなどがあります。
例えるなら、PaaSは「お好みの材料を組み合わせて料理が作れるキッチン」のようなものです。必要な機能を自由に追加したり、カスタマイズしたりできます。
SaaSと比べると自由度が高く、より細かい設定が可能です。ただし、その分だけ専門的な知識も必要になります。システム開発の経験者でないと、使いこなすのは少し難しいかもしれません。
提供されるのは「土台」だけなので、その上に何を作るかは利用者次第です。そのため、自社専用のシステムを作りたい場合や、既存のサービスでは満足できない場合に選ばれています。
初めて使う方は、まずは簡単な機能から試してみることをおすすめします。
IaaS(Infrastructure as a Service)
3つ目は、クラウドサービスの中で最も基本的な形態、IaaS(イアース)。
IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、コンピューターやサーバーなどのインフラを借りられるサービスです。つまり、システムの土台となる部分を必要な分だけ利用できる仕組みです。
従来は、会社が自前でサーバーを購入し、設置場所を確保し、管理する必要がありました。でも、IaaSを使えば、それらをすべてクラウド上で済ませることができます。
特徴は、必要なときに必要な分だけ利用できる点です。例えば、一時的にデータ容量が必要になった際は、その期間だけ容量の拡張が可能です。使用料に応じた料金体系なので、コスト管理も容易です。
最近では、ソフトウェアとセットになったIaaSも増えており、PaaSとの区別が難しくなってきています。ただ、基本的にはインフラを提供するサービスと覚えておくとよいでしょう。
使い方には専門知識が必要ですが、自由度は3つの形態の中で最も高いのが特徴です。
情報共有をクラウド化するメリット

情報共有をクラウド化するメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 情報共有がスムーズになる
- 情報蓄積の一元化ができる
- ランニングコストが少なくて済む
- 拡張性が高く、常に最新バージョンが使える
- 社会情勢や働き方の変化に柔軟に対応できる
次から具体的にそれぞれの内容を解説していきます。
情報共有がスムーズになる
メールの添付ファイルが重すぎる、共有漏れが心配…。そんな情報共有の悩みを解決するのが、クラウドでの情報共有です。
情報共有をクラウド化すれば、大容量のファイルも簡単に共有できます。今までのように「ファイルが重すぎて送れない」「USBで持ち運ばないと」といった手間から解放されます。
また、グループごとに共有範囲を細かく設定できるのも魅力です。例えば、「この企画書は営業部だけ」「この資料は全社員に」といった具合に、必要な人にだけ情報を届けられます。
さらに、一度アップロードした情報は、その場でメンバーと共有できます。わざわざメールを送ったり、個別に連絡したりする必要がありません。
このように、クラウドを活用することで、今までの面倒な情報共有の作業が驚くほど簡単になります。結果として、業務全体のスピードアップにもつながるのです。
情報蓄積の一元化ができる
「必要な資料がどこにあるかわからない」「紙の書類が多すぎて管理が大変」。こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
従来の情報管理では、顧客データは専用ソフトで、マニュアルは紙で、日報はまた別のシステムで…というように、情報がバラバラに存在していました。これでは、必要な情報を探すだけでも一苦労です。
さらに、紙での管理には保管スペースも必要です。キャビネットやロッカーが場所を取るうえ、適切な管理者も必要になります。また、外出先で急に資料が必要になっても、オフィスまで取りに戻らなければなりません。
でも、情報共有をクラウド化すれば、これらの問題を一気に解決できます。すべての情報をクラウド上で一元管理することで、必要な情報へのスムーズなアクセスが実現します。
ペーパーレス化も進み、オフィスのスペース効率も上がります。情報を探す手間が省けることで、本来の業務により多くの時間を使えるようになるのです。
ランニングコストが少なくて済む
情報共有の仕組みを整えたいけれど、コストが心配…。そんな方もクラウドを活用すれば、思いのほか費用を抑えられます。
従来の情報共有の方法では、社内にサーバーを設置する必要がありました。これには、サーバー本体の購入費用だけでなく、設置場所の確保や空調設備の整備、電気代、バックアップ体制の構築、そして定期的なメンテナンス費用が必要です。さらに、老朽化によるサーバーの買い替えも考慮しなければなりません。
一方、クラウドサービスは月額の利用料金だけ。しかも、利用する人数や機能に応じて料金プランを選べます。多くのサービスでは、無料トライアル期間が設けられており、導入前に使い勝手を試せるのも魅力です。使い始めるときの初期費用も、従来の方法に比べて少なくて済みます。
必要な機能を見極めてサービスを選べば、予算を抑えながら効率的な情報共有がクラウドで実現可能です。
拡張性が高く、常に最新バージョンが使える
システムの更新も面倒な作業です。でも、クラウドサービスならその心配はいりません。なぜなら、常に最新のバージョンが使えるからです。
従来のシステムでは、新しい機能を追加したいときや、バージョンアップが必要なときは、その都度システム担当者が作業を行う必要がありました。時間も手間もかかり、場合によっては業務が止まってしまうことも。
クラウドサービスなら、システムの更新は提供元が自動的に行ってくれます。利用者は特別な作業をすることなく、いつでも最新の機能を使えるのです。Web開発の知識がなくても、安心して利用できます。
さらに、機能の拡張も簡単です。例えば、利用者が増えたときはアカウントを追加するだけ。新しい機能が必要になったときも、サービスのグレードアップで対応できます。
もちろん、基本的な機能は変わらないので、使い方を覚え直す必要もありません。どんどん追加されていく便利な機能を、気兼ねなく利用することができるのです。
社会情勢や働き方の変化に柔軟に対応できる
働き方改革やリモートワークが広がる中、情報共有の方法も変化が求められています。クラウドサービスを活用すれば、新しい働き方にもスムーズに対応できます。
従来の情報管理では、必要な資料が社内にしかないため、「オフィスに戻らないとファイルが見られない」「急な在宅勤務で必要な書類にアクセスできない」といった問題が起きていました。
でも、クラウドなら場所を選びません。自宅でも、出張先でも、サテライトオフィスでも、インターネットさえあれば必要な情報へのアクセスが可能です。スマートフォンやタブレットからも利用できるため、移動中でも業務を進められます。
この柔軟さは、育児や介護との両立を目指す方々にとっても心強い味方になります。時間や場所にしばられない働き方を実現し、より良いワークライフバランスを築けます。
社会の変化に合わせて、私たちの働き方も進化しています。クラウドでの情報共有は、その変化に対応するための重要なツールとなっているのです。
情報共有をクラウド化するデメリット

情報共有をクラウド化するデメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 情報漏洩のリスクが付きまとう
- 運用体制を整えなければならない
- ツールの不具合によるインシデントが発生する恐れがある
- ツール導入に一定の手間がかかる
- 自社に適した情報共有のテンプレートが見つからない可能性がある
次から具体的に解説していきますので、クラウド化を進めるにあたって、理解しておきましょう。
情報漏洩のリスクが付きまとう
クラウド型の情報共有システムを導入する際に最も懸念されるのが、情報漏洩のリスクです。ここでは、そのリスクと対策について詳しく解説します。
セキュリティリスクの現状
- インターネット上のサービスには常にセキュリティリスクが存在します
- 不正アクセスによる情報漏洩事件は年々増加傾向にあります
情報漏洩による影響
- 顧客情報や機密情報の流出は企業の信用問題に直結します
- 企業の信頼失墜により大きな損失が発生する可能性があります
- 復旧に多大な時間とコストがかかることがあります
セキュリティ対策の現状
- 不正侵入検知機能の実装
- ファイル送受信時の暗号化
- ウィルスチェック機能の搭載
- オンプレミス型と遜色ないセキュリティレベルの実現
企業側で実施すべき対策
- Wi-Fi環境の適切な構築
- 従業員への定期的な注意喚起
- セキュリティ意識の向上施策
- 事業者のセキュリティ対策の事前確認
導入を検討する際は、サービス事業者のセキュリティ対策を十分に確認し、自社の要求水準を満たしているか慎重に判断することが重要です。場合によっては、適切に管理されたクラウドサービスの方が、自社でサーバーを持ち管理するよりも高いセキュリティレベルを実現できることもあります。
運用体制を整えなければならない
クラウドサービスを導入しただけでは、効果的な情報共有は実現できません。ここでは必要な運用体制について説明します。
運用体制の重要性
- クラウドツールの導入だけでは情報共有は円滑化しません
- 適切な運用体制がないと重大事故につながる可能性があります
- 組織全体での危機管理意識の徹底が不可欠です
必要な管理体制
- アクセス権限の適切な設定と管理
- 退職者のアカウント管理の徹底
- 定期的なパスワード変更の実施
- 情報セキュリティポリシーの策定と周知
リスク管理のポイント
- 情報漏洩防止のためのガイドライン作成
- 従業員教育の実施
- 定期的な運用状況の監査
- インシデント発生時の対応手順の整備
推奨される取り組み
- 運用ルールの明文化
- 担当者の明確な役割分担
- 定期的な運用状況のレビュー
- セキュリティ意識向上のための継続的な取り組み
クラウドサービスを効果的に活用するためには、導入時の計画段階から運用体制の整備を考慮することが重要です。また、定期的な見直しと改善により、より安全で効率的な情報共有環境を維持できます。
ツールの不具合によるインシデントが発生する恐れがある
クラウドサービスは比較的新しいサービスが多く、予期せぬ不具合が発生するリスクがあります。ここでは、そのリスクと対策について解説します。
サービスの脆弱性
- クラウドサービスにも脆弱性は存在します
- 特に新しいサービスは長期運用データが不足しています
- サイバー攻撃以外のシステムトラブルも発生する可能性があります
業務への影響
- 突発的な不具合により業務が停止する可能性があります
- 重要データが突然消失するケースも報告されています
- システム復旧までの間、業務に大きな支障をきたす場合もあります
データ消失のリスク
- サービス側の不具合でデータが消失する可能性があります
- 利用規約で「データ管理は利用者の責任」とされることもあります
- 消失したデータの復旧が困難な場合もあります
導入前の確認事項
- サービスの運用実績の確認
- 不具合発生時の対応体制の確認
- データバックアップ体制の確認
- 補償内容や免責事項の確認
企業にとって蓄積されたデータは貴重な財産です。クラウドサービスを選択する際は、これらのリスクを十分に考慮し、適切な対策が講じられているサービスを選定することが重要です。また、自社でのバックアップ体制の構築も検討する必要があります。
ツール導入に一定の手間がかかる
「即日利用可能」と謳われていても、クラウドサービスを実際に導入するには一定の手間と時間が必要です。ここでは、導入時の注意点について解説します。
導入の現実
- 「即日利用可能」という表現は必ずしも現実的ではありません
- どのツールでも一定の導入手順が必要です
- カスタマイズやセットアップに時間がかかる場合があります
必要な準備作業
- 環境構築の準備
- ユーザーアカウントの設定
- 既存データの移行作業
- 社内システムとの連携設定
事前確認事項
- 導入に必要な工事日数の確認
- 具体的な導入工程の把握
- システム停止の可能性の確認
- 導入スケジュールの策定
推奨される対応
- 十分な導入期間の確保
- 段階的な導入計画の立案
- テスト環境での事前検証
- 社内教育期間の設定
導入をスムーズに進めるためには、事前の十分な調査と計画が不可欠です。「即日利用可能」という謳い文句に惑わされず、実際の導入に必要な時間と手間を正確に把握し、適切な導入計画を立てることが重要です。また、サービス停止などのリスクも考慮に入れた計画策定が必要です。
自社に適した情報共有のテンプレートが見つからない可能性がある
クラウドサービスは汎用的な設計のため、自社の特殊なニーズに対応できない場合があります。ここでは、テンプレートに関する課題と対策について解説します。
テンプレートの限界
- 既存テンプレートが自社の業務に適合しない可能性
- オンプレミス型と比較して低いカスタマイズ性
- UIの変更が制限される場合が多い
- 業務フローの変更が必要になることも
カスタマイズの制約
- サーバーやストレージはレンタル品のため変更に制限あり
- システムのUI変更が不可能な場合が多い
- 独自機能の追加が困難
- 応用範囲に限度がある
解決策
- 豊富なテンプレートを提供するサービスの選択
- カスタマイズ性の高いサービスの検討
- 無料トライアル期間での適合性の確認
- 業務プロセスの見直しと調整
選定のポイント
- 自社の業務フローとの整合性確認
- 必要な機能の有無の確認
- カスタマイズ可能な範囲の把握
- 将来的な拡張性の検討
クラウドサービス導入時は、自社の業務に適したテンプレートが用意されているか、必要なカスタマイズが可能かどうかの事前確認が重要です。無料トライアル期間を活用して実際の使用感を確認し、業務との適合性を慎重に判断することをお勧めします。
導入前に知っておきたいクラウドサービスの種類

クラウドサービスには複数の種類があります。ここでは代表的な以下の3つについて具体的に解説していきます。
- プライベートクラウド
- パブリッククラウド
- ハイブリッドクラウド
プライベートクラウド
プライベートクラウドは、企業や組織専用にカスタマイズされたクラウド環境です。その特徴や導入時の注意点について詳しく解説します。
基本的な特徴
- ユーザー専用のカスタマイズ環境
- 高い自由度と拡張性を実現
- 組織のニーズに合わせた柔軟な対応が可能
提供形態
- 外部事業者による提供
- 専門業者がサービスを提供
- 運用管理の委託が可能
- 自社システム部門による提供
- 完全な自社管理が可能
- より詳細なカスタマイズが可能
コストに関する考慮点
- 初期費用が必要
- サーバー設置費用
- システム構築費用
- 環境整備費用
- 継続的な維持管理費用
- 運用管理費用
- メンテナンス費用
- アップデート費用
導入メリット
- セキュリティ面
- 独自の管理体制構築が可能
- アクセス制御の徹底
- カスタマイズ性
- 業務に最適化された環境構築
- 必要な機能の追加がスムーズ
- 運用面
- 社内ポリシーに沿った運用
- 柔軟な変更対応
プライベートクラウドは、高い自由度と管理性を求める組織に適したソリューションです。ただし、導入には相応のコストと運用体制が必要となるため、組織の規模や要件を十分に考慮した上で判断することが重要です。
パブリッククラウド
パブリッククラウドは、多様なユーザーのニーズを想定して設計された汎用的なクラウド環境です。その特徴と活用方法について詳しく見ていきましょう。
基本的な特徴
- 多数のユーザーを想定した設計
- 豊富な標準機能を搭載
- 専門エンジニアによる運用・アップデート
システムの特徴
- ユーザーインターフェース
- 洗練されたUI設計
- 直感的な操作性
- 統一された使用感
- 機能面
- 充実した基本機能
- 定期的な機能アップデート
- 安定した性能
限界と制約
- カスタマイズの制限
- 個別ニーズへの対応が困難
- UI変更の制限
- 機能追加の制限
- 運用面での制約
- スタンダードな運用ルールへの対応
- 独自のワークフローの構築が困難
適している組織・用途
- 向いている組織
- 標準的な業務フローを持つ組織
- 初期投資を抑えたい組織
- 運用負荷を軽減したい組織
- 最適な用途
- 一般的な情報共有
- 標準的なコミュニケーション
- 基本的なファイル管理
パブリッククラウドは、標準的な機能で十分な場合や、コスト効率を重視する場合に適した選択肢です。パブリッククラウドでは機能が不足している、特有の機能が必要といった場合は、前述したプライベートクラウドの検討をお勧めします。
ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドは、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて利用する形態です。ここでは、その特徴と効果的な活用方法について解説します。
基本的な特徴
- 複数のクラウドサービスの使い分け
- 用途に応じた最適環境の選択
- 柔軟なシステム構築が可能
活用メリット
- コスト最適化
- 用途に応じたサービス選択
- 必要な機能のみの利用
- 段階的な投資が可能
- 機能面
- 各サービスの長所を活用
- 必要に応じた環境選択
- 柔軟なリソース配分
課題と注意点
- システムの複雑化
- 全体構成の複雑化
- 管理負担の増加
- トラブル対応の複雑さ
- データ連携の課題
- システム間の連携設計
- データ転送の効率化
- 整合性の維持
ハイブリッドクラウドは、柔軟性と効率性を両立できる反面、適切な設計と運用が求められます。導入時には、自社の要件と運用体制を十分に考慮し、計画的な構築を進めることが重要です。
情報共有をクラウド化した成功事例

ここでは実際に情報共有をクラウド化した成功事例をご紹介します。
- 株式会社エングラフィア
- 株式会社オロ
- 株式会社サイバード
株式会社エングラフィア
株式会社エングラフィアは、以前は他のwikiや情報共有サービスを試していたものの、必要な機能がすべてそろっていたDocBaseに最終的に決定しました。
DocBase採用の決め手となったのは、Markdownの記述、PlantUMLの利用、グループ設定、2段階認証、差分表示、そして顧客への情報公開を可能にする外部共有機能といった点です。以前利用していたサービスでは不満点が多かったものの、DocBaseの導入によってそれらの課題はほぼ解消されました。特に、プログラマーが多い同社にとって、ドキュメントの差分を容易に確認できる機能は不可欠でした。
DocBaseの導入にあたっては、代表が属人化していた情報を共有するため、積極的にDocBaseへ情報を書き出す作業を繰り返すことで、組織全体への浸透を図った経緯があります。
事例を読む
株式会社オロ
株式会社オロでは、DocBase導入後に大きな変化が見られました。これまで積極的に新人や後輩に情報を共有していなかった社員が、DocBaseをきっかけに貴重な情報やノウハウを共有するようになったり、思いがけない有益な情報が共有されるようになったりと、情報共有が促進されました。
また、部門間のコミュニケーション活性化を目的とした「シャッフルランチ」という活動において、DocBaseの活用が貢献しています。さらに、社内の感謝を伝え合う制度「Oron」においても、DocBaseの情報共有がチーム間や部門間の連携を強化する役割を果たしています。
これらのことから、株式会社オロではDocBaseの導入により、従来共有されにくかった暗黙知やノウハウが可視化され、情報共有が活性化されたと考えられます。クラウドベースであるDocBaseの特性を活かし、場所や時間に縛られない情報共有を実現し、組織全体のコミュニケーション向上に貢献していると言えるでしょう。
事例を読む
メンバーが、思いがけない良い情報を共有してくれるようになりました株式会社オロ様
株式会社サイバード
株式会社サイバードでは、DocBase導入以前は、特定の情報共有ツールを使用しておらず、口頭やチャットでの情報伝達が中心でした。そのため、情報が流れやすく、後から必要な情報を探し出すのが困難な状況でした。
DocBaseの導入によって、株式会社サイバードでは、悩みや課題を気軽に共有する環境が生まれました。以前は、些細な疑問や困り事を誰に相談すれば良いか分からず、問題解決に時間がかかるケースもありましたが、DocBaseの導入後は気軽に投稿できるようになったため、問題解決の迅速化に繋がったと語られています。
DocBaseがクラウドベースのツールであるため、場所や時間に縛られない情報の共有・閲覧が可能になったことが、問題解決の迅速化に貢献していると考えられます。口頭やチャットで流れがちだった情報もDocBaseへの蓄積により、社内のナレッジベースとして機能し、属人化の防止も期待されています。
事例を読む
困っていることを気軽に共有するようになり、問題解決が早くなりました
初心者にもやさしい情報共有ツール6選

クラウドで利用できるツールには多くの製品が存在します。ここでは多くの人が使いやすい情報共有ツールを6つご紹介していきます。
- DocBase
- NotePM
- Dropbox Business
- Fleekdrive
- box
- Slack
DocBase
【DocBaseの特徴】
- 画像のペイントモード
- 同時編集機能
- 柔軟な公開範囲設定
- 豊富な検索機能
- セキュリティ機能
DocBaseは、さまざまな用途に使えるクラウドの情報共有ツールとして多様な機能を備えています。まず、画像のペイントモードにより、画像編集ソフトを別途使用することなく、DocBase内で画像に矢印やテキストを追加したり、モザイクをかけたりといった加工が可能です。マニュアルや手順書の作成が効率化されます。
次に、同時編集機能によって、複数のメンバーが同時に1つのメモを編集できるため、チーム全体でマニュアル作成が可能で、情報共有の円滑化と負担分散につながります。また、グループ機能を活用した柔軟な公開範囲設定により、メモの公開範囲を限定したり、複数のグループに公開したりすることで、情報へのアクセス制御を容易に行えます。
さらに、キーワードやグループ、タグなどを用いた豊富な検索機能が備わっており、PDFやExcelといった添付ファイル内の情報も検索対象となるため、必要な情報に迅速にアクセスできます。セキュリティにも力を入れており、シングルサインオンや2段階認証、アクセス制限といった機能に加えて、通信と投稿情報の暗号化、チームごとの秘密鍵を用いたデータ暗号化保存を行っています。情報セキュリティの国際規格であるISO 27001認証も取得しており、安全な情報管理体制を構築しています。
【DocBaseの料金プラン】
無料トライアル | スターター | ベーシック | レギュラー | ビジネス | |
料金 | 0円 | 990円/月 | 4,950円/月 | 9,900円/月 | 21,450円/月 |
ユーザー数 | 無制限 | 3人 | 10人 | 30人 | 100人 |
ストレージ | 無制限 | 3GB | 10GB | 30GB | 100GB |
公式サイト
NotePM
【NotePMの特徴】
- 活用状況をレポート分析で確認できる
- セキュリティ性が高く医療機関や金融機関で採用されている
- シーンを問わずに活躍してくれる
NotePMは、ナレッジやノウハウを一元管理できる「ナレッジマネジメントツール」です。文書管理はもちろんのこと、マニュアル作成、社内Wiki、ノウハウ共有、社内FAQ、社内ポータル、取引先との情報共有などシーンを問わずに活躍してくれます。
また、コメントやいいね機能を搭載しており、SNSのような使い方ができる点も特徴です。「社内コミュニケーションを促進したい」という企業におすすめしたいシステムです。
【料金プラン】
プラン8 | プラン15 | プラン25 | プラン50 | プラン100 | プラン200~ | |
料金 | 5,280円/月 | 9,900円/月 | 16,500円/月 | 33,000円/月 | 66,000円/月 | 132,000円/月 |
ユーザー数 | 8人まで | 15人まで | 25人まで | 50人まで | 100人まで | 200人まで |
ストレージ | 80GB | 150GB | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
公式サイト
Dropbox Business
【Dropbox Businessの特徴】
- 業務・業種別のソリューションあり
- さまざまな作業をDropbox内で完結できる
- 無料トライアルあり
- ビジネス向けだけでなく個人向けプランも設定されている
Dropbox Businessは、ファイル管理に利用できる法人向けのオンラインストレージツールです。なお個人向けのプランも設定されています。ストレージ利用は1人5TB、かつ高いセキュリティ性を有しているため、情報漏えいの心配をすることなくさまざまな情報を蓄積・共有可能です。
また、業務・業種別のソリューションがあり、自社の場合はどう運用すべきかわかりやすい点も魅力です。無料トライアルも設定されているため、使用感が分からず失敗するというトラブルもないでしょう。
【Dropbox Businessの料金プラン】
Essentials | Business | Business Plus | Enterprise | |
料金 | 2,000円/月 | 1人1,500円/月 | 1人2,400円/月 | 要相談 |
人数 | 1人 | 3人~ | 3人~ | 要相談 |
ストレージ | 3TB | 9TB~ | 15TB~ | 要相談 |
公式サイト
Fleekdrive
【Freekdriveの特徴】
- 企業が抱える課題への対応力とカスタマイズ性
- 高度なセキュリティと安全なファイル共有
- 業務効率化を促進する機能
Freekdriveは、セキュリティが強化された企業向けオンラインストレージサービスです。企業の規模や業種によって異なる課題に対し、柔軟なカスタマイズで対応可能な点が大きな特徴です。ペーパーレス化、テレワーク、大容量データ転送など、企業が抱えるさまざまなニーズに対して、Fleekdrive導入で自社に最適な環境を構築し、業務効率化や生産性向上を図ることができます。
高度なセキュリティと安全なファイル共有もFleekdriveの魅力です。AWSを基盤とした強固なセキュリティ対策により、情報漏えいのリスクを最小限に抑え、安心してファイル共有や共同作業を行うことができます。さらに、業務効率化を促進する機能も充実しています。ファイル更新時の自動通知、自動メール送信、ファイル保管期限の設定など、ルーティンワークを自動化する機能を備えており、担当者の負担を軽減します。
【料金プラン】
項目 | Team | Business |
特徴 | 基本的なファイル共有、ライトに使うなら | 高セキュリティ、ビジネスで本格的に使うなら |
月額/1ユーザーあたり | 600円(税抜) | 1,800円(税抜) |
(年間7,200円/1ユーザー) | (年間21,600円/1ユーザー) | |
※最低10ユーザーからご利用可能 | ※最低10ユーザーからご利用可能 | |
ストレージ容量 | 10GB × 契約ユーザー数 | 200GB × 契約ユーザー数 |
APIコール | 毎月50,000回まで無償 | 毎月150,000回まで無償 |
公式サイト
box
【Boxの特徴】
- AIを活用したインテリジェントな機能(文書要約、質問応答、コンテンツ生成など)
- 深層学習を活用したセキュリティ機能と各種コンプライアンスへの対応
- APIによるカスタマイズ性と多様なアプリケーションとの統合
Boxは、セキュアなコラボレーション、コンテンツ管理、AIを活用したワークフローを提供するインテリジェントコンテンツクラウドです。エンタープライズグレードのセキュリティとコンプライアンスを備え、組織内外でのコンテンツ操作を可能にします。
AIを活用した質問応答、文書要約、コンテンツ生成、メタデータ抽出などの機能により、業務効率を向上させます。また、電子サイン機能や1,500以上のアプリとの統合により、幅広いビジネスニーズに対応します。
【Boxの費用・料金プラン】
プラン | Business | Business Plus | Enterprise | Enterprise Plus |
月額/1ユーザーあたり | 2,084.50円 | 3,473.80円 | 4,864.20円 | 6,600円 |
公式サイト
https://www.box.com/ja-jp/home
Slack
【Slackの特徴】
- チャット形式の情報共有ツール
- ファイルのアップロード機能なども搭載
- 社外の人間をグループに入れることもできる
- デモ利用可能
Slackは、気軽にチャット形式でやり取りできるビジネスチャットツールです。スタンプ機能などコミュニケーションを促進する機能があり、社内のやり取りを活性化しやすくなります。一方、ファイルのアップロード機能やツール経由の通話機能など、ビジネスに有用な機能がそろっている点も魅力です。
社外の人間もグループに入れられるため、外部の人間をアサインする機会の多い企業には、特に適しています。デモも利用可能であるため、導入前にぜひ利用してみてください。
【Slackの費用・料金プラン】
フリープラン | プロ | ビジネスプラス | Enterprise Grid | |
月額/1ユーザーあたり |
0円 | 925円/月 ※年払いの場合(月払いでは月額1,050円) |
1,600円/月※年払いの場合(月払いでは月額1,800円) | 要相談 |
機能 | 90日間のアクセス1対1のハドルミーティング音声・動画クリップ1対1の外部連携 | フリープランのサービスに以下を追加メッセージ履歴へのアクセスが無制限無制限のアプリとインテグレーション無制限の canvas(30 日分のバージョン履歴)音声優先のハドルミーティングに最大 50 人が参加可能Slack コネクトで社外と安全に連携アドオンとして Slack AI を利用可能 | プロプランのサービスに以下を追加ユーザーのプロビジョニングとデプロビジョニングSAML ベースのシングルサインオン無制限の canvas(90 日分のバージョン履歴)全メッセージのデータエクスポート | ビジネスプラスプランのサービスに以下を追加HIPAA サポートや Enterprise Key Management アドオンといった、エンタープライズ級のセキュリティとコンプライアンス組み込みの従業員ディレクトリ最大50万人のユーザーに対応可能で大規模なコラボレーションや情報共有に最適一元管理とカスタマイズ可能なポリシーで管理を合理化 |
ストレージ | 1GB/人 | 5GB/人 | 20GB/人 |
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ツール導入前に知っておきたい「情報共有をクラウド化する際の注意点」

情報共有をクラウドで利用する際には、事前に知っておくべきポイントがあります。ここではそのポイントを2つ紹介します。
- クラウド化の目的を明確にする
- 社内のセキュリティ意識を高める
クラウド化の目的を明確にする
クラウドでの情報共有が当たり前になってきた今、むやみに導入を進めると思わぬ落とし穴にはまることがあります。そこで、スムーズな導入のために押さえておきたいポイントをお伝えします。
まず大切なのは、目的と範囲の明確化です。「とりあえずクラウド」という考えは危険です。社内のどの業務で、どんな情報を共有したいのか、具体的に決めましょう。例えば、営業チームの案件管理だけに使うのか、全社的な文書管理まで広げるのか、はっきりさせることがカギとなります。
また、クラウドツールを入れれば自動的に効率が上がると考えがちですが、それは誤解です。かえって情報の置き場所が分からなくなり、探す手間が増えてしまうケースもよく見られます。
そこで提案したいのが、「3つの確認ステップ」です。
1.本当にクラウド化が必要か
2.利用範囲は適切か
3.運用ルールは決まっているか
これらをしっかり確認することで、効果的なクラウド活用が実現できるはずです。
社内のセキュリティ意識を高める
クラウドでの情報共有においては、ツールの選び方だけでなく、使う側の意識も重要です。特に気をつけたいのが、パスワード管理です。
個人用と仕事用のパスワードを同じものにしているといったケースも見られるようです。さらに、多くの人が社員番号や名前などの個人情報をパスワードに使っているという話も耳にします。これでは、せっかくの情報共有システムも危険にさらされてしまいます。
では、どうすればいいのでしょうか。まず大切なのは、社内全体でセキュリティへの理解を深めることです。パスワードの設定方法や、情報の取り扱いルールを明確にし、定期的な研修の実施をおすすめします。
また、マニュアルを作って、わからないことがあれば、誰でも確認できる環境を整備するのも有効です。クラウドツールの導入と同時に、こうした社内の取り組みを始めることで、安全な情報共有が実現可能です。
「便利」と「安全」、両方のバランスを取りながら、情報共有のクラウド化を進めていきましょう。
情報共有のクラウド化ならDocBaseにお任せ

情報共有のクラウド化は、業務効率化やコスト削減、働き方改革の実現に欠かせません。クラウド化を成功させるポイントは、目的の明確化とセキュリティ意識の向上です。「とりあえずクラウド」ではなく、自社の課題や必要な機能を整理した上で、最適なツールを選択することが重要です。
情報共有のクラウド化を実践する際には、DocBaseがおすすめです。DocBaseは直感的な操作性と高いセキュリティを両立し、初心者でも安心して使える点が特徴です。
まずは無料トライアルを活用して、実際の使用感を確かめてみてください。情報共有のクラウド化で、より効率的で柔軟な働き方を実現しましょう!