ドキュメント作成が苦手ならツールを活用!コツを形にできるおすすめツールも紹介

システム開発においてドキュメント作成は、避けて通れない重要な工程です。しかし、「どう書けばいいかわからない」「体裁を整えるのに時間がかかる」「チーム内で文書の形式が統一できない」など、多くの方が困難を感じているのではないでしょうか。
実は、適切なドキュメント作成ツールを活用することで、これらの課題を効率的に解決できます。例えば、テンプレート機能を使えば必要な項目を漏れなく記載できますし、自動整形機能により見やすい文書が簡単に作成できます。また、チーム全体で同じドキュメント作成ツールを利用すれば、文書の形式を統一することも可能です。
本記事では、システム開発におけるドキュメントの種類と役割を整理した上で、おすすめのツールをご紹介します。ツールの特徴や使い方を理解することで、より効率的なドキュメント作成が実現できるはずです。
【この記事を読んでわかること】
- システム開発におけるドキュメントには、提案依頼書(RFP)、要件定義書、外部設計書、内部設計書、運用マニュアルなどがある
- ドキュメント作成ツールを使うと、「文章構造が明確にできる」、「画像や表を挿入できる」、「テンプレートを利用できる」、「体裁を整えやすい」などのメリットがある
- ドキュメント作成ツールは、DocBaseなどがおすすめ
目次
システム開発におけるドキュメントの種類

一般的に「ドキュメント」とは、記録物や文書を意味します。システム開発においては、主に設計書や仕様書、マニュアルなどを指します。
システム開発では、複数の開発手順を踏むため、さまざまなドキュメント作成が求められます。特に規模の大きいプロジェクトでは複数人で作業を行うことが多く、各工程でドキュメントを用意するのが一般的です。ドキュメントによって、関係者間での情報共有や進捗管理を円滑に進められます。
システム開発における主要なドキュメントとしては、以下の5種類があります。
- 提案依頼書(RFP)
- 要件定義書
- 外部設計書
- 内部設計書
- 運用マニュアル
各ドキュメントについて詳しく解説していきます。
提案依頼書(RFP)
システム開発を始めるときに、まず作成するのが提案依頼書(RFP:Request for Proposal)です。これは、開発を依頼する会社に向けて作る大切な文書になります。
提案依頼書には、プロジェクトの概要や目的をはじめ、必要な機能やスケジュール、予算などを明確に記します。この文書をもとに開発会社はお客様のニーズを理解し、最適な提案を行うことができます。
記載する内容は主に以下の項目です。
- プロジェクトの概要と目的
- 必要なシステムの機能
- 評価の基準
- 制約となる条件
- 予算とスケジュール
- 運用や保守の方針
作成するときは「5W1H」を意識すると、開発会社との認識のずれを防ぐわかりやすい文書になり、スムーズにプロジェクトを進行できます。
的確な提案依頼書を用意することで、お客様の望むシステムを実現できる開発会社を見つけやすくなります。
要件定義書
システム開発で大切な役割を持つのが要件定義書です。これは、お客様の要望を形にするための設計図のような存在です。
要件定義書を作ることで、以下のような利点が得られます。
- 開発チームがお客様のニーズを正確に理解できる
- 適切な提案ができる
- 想定外のトラブルを防げる
- スケジュール変更にも柔軟に対応できる
具体的な記載項目としては、以下の内容が含まれます。
- システムの概要(目的・背景・課題・解決策)
- 業務の流れ
- 必要な機能
- セキュリティや性能に関する要件
- 開発の計画
特に大切なのは、お客様の要望をただ書き出すだけでなく、実現可能な形に整理することです。要件定義書は、その後の開発工程における全ての土台となります。
しっかりとした要件定義書があれば、開発チームは迷うことなく前に進めます。お客様の期待に応える成果物を作るための重要な第一歩といえるでしょう。
外部設計書
外部設計書は、基本設計や概要設計とも呼ばれ、システムの基本となる設計を示す大切な文書です。
この文書の特徴は、お客様から見える部分の設計に重点を置いていることです。要件定義で決めた内容を、より具体的な形にしていきます。
主な記載項目は以下の通りです。
- 画面の見た目や操作方法
- セキュリティの仕組み
- 運用の決まり
- 開発の予定と費用
- 他のシステムとのつながり方
- 帳票の設計
外部設計を進める上で大切なのは、要件定義の内容をしっかり理解することです。土台となる要件定義が不十分だと、その先の具体的な設計に進めなくなってしまいます。
そのため、外部設計に入る前には、関係者全員で要件定義の内容を確認することをおすすめします。これにより、スムーズな設計作業につながり、お客様の期待に応えるシステムづくりが可能になります。
内部設計書
内部設計書は、プログラマーへの指示書ともいえる大切な文書です。システムの内部で動く仕組みを具体的に示すものです。
この設計では、主に次の3つの段階で進めていきます。
- 機能の分割
- データの設計
- 入出力の詳しい設計
具体的な記載内容には以下のようなものがあります。
- データベースの設計図
- APIの仕様
- 定期的な処理の設計
- データの関連図(ER図)
内部設計は、お客様との確認よりも開発チーム内での共有に重点を置き、プログラマーが理解しやすい内容にすることが求められます。
また、システムの機能だけでなく、保守やメンテナンスのしやすさも考えた設計が大切です。将来の運用を見据えた設計により、長く使える良いシステムを作ることができます。
プログラミングの土台となる内部設計書は、開発の成功を左右する重要な要素といえるでしょう。
運用マニュアル
運用マニュアルは、お客様がシステムを使いこなすための道しるべです。わかりやすく、使いやすいマニュアルを作ることが大切です。
運用マニュアルには、主に4つの種類があります。
- 設計・仕様マニュアル:システムの基本設計や詳しい機能を説明したもの
- 業務マニュアル:システム全体の流れを理解するためのもの
- 操作マニュアル:実際の使い方を手順で示したもの
- 障害対応マニュアル:問題が起きたときの対処法をまとめたもの
これらのマニュアルを最も使用するのは、業務にまだ不慣れな担当者です。そのため、以下の点に気をつけて作成します。
- 知りたい内容をすぐに見つけられる
- 初めて見る人でもわかる説明
- 図や表を使った見やすい構成
良いマニュアルがあれば、新しい担当者でも安心してシステムを使えるようになります。
システム開発のドキュメント作成にはツールがおすすめの理由

システム開発のドキュメント作成には、以下のような理由からツールを利用するのがおすすめです。
- 文章の構造を形にしやすい
- 画像や表を挿入しやすい
- テンプレートを利用できる
- 体裁を整えやすい
それぞれについて具体的に解説していきます。
文章の構造を形にしやすい
システム開発のドキュメント作成で、専用ツールの利用をおすすめする理由があります。それは、文章の構造をわかりやすく形にできることです。
ドキュメント作成ツールには、以下のような便利な機能があります。
- 見出しの階層関係を簡単に設定
- 目次の自動生成
- 文書の全体構造が一目でわかる
- テンプレートとの相性が良い
例えば、見出しの設定では、大見出し(h1)から小見出し(h3)まで、簡単な操作で階層を作れます。こうした階層をきちんと設定することで文書構造が明確になり、読み手に伝わりやすいドキュメントが作成できます。
また、多くのドキュメント作成ツールには目次の自動作成機能があり、文書を作りながら全体の構成を確認できます。これは長い文書を作るときに特に役立ちます。
さらに、後述するテンプレート機能と組み合わせて、作業時間を大幅に減らすこともできます。効率的でわかりやすい文書作りには、ドキュメント作成ツールの活用が欠かせないのです。
画像や表を挿入しやすい
ドキュメント作成では、文章だけでなく、見た目のわかりやすさも重要です。その点で、ドキュメント作成専用ツールの活用が効果的です。
ドキュメント作成ツールを使うと、以下のような視覚的な表現が簡単にできます。
- スクリーンショットの挿入
- 図や表の作成
- フローチャートの描画
- レイアウトの調整
特にマニュアルのような説明文書では、画像や表を効果的に使うことで、読み手の理解が深まります。例えば、操作手順を説明する際は、実際の画面を示しながら解説するとわかりやすくなります。
最近のドキュメント作成ツールは、ドラッグ&ドロップで画像を配置したり、テンプレートから表を作ることができます。直感的な操作で、見やすい文書が作れるのです。
DocBaseの活用例――ファイルを画面にドラッグドロップする
また、後からの修正も簡単です。画像のサイズ変更や表の行数調整なども、数回のクリックで済みます。
視覚的な要素を上手に使うことで、読み手にやさしい文書作りができます。この点がドキュメント作成ツールを使う大きな利点といえるでしょう。
テンプレートを利用できる
システム開発で文書を作成する際には、テンプレート機能を持つドキュメント作成ツールの利用が効果的です。これは、文書作成の手間を大きく減らすことができるためです。
テンプレートを使うメリットには、以下のようなものがあります。
- 決まった項目を漏れなく記載できる
- 一貫した形式で文書が作れる
- チーム内で統一された文書が作成できる
- 作業時間の短縮につながる
例えば、基本設計書や詳細設計書では、プロジェクトが変わっても書くべき項目は似ています。このような場合、テンプレートがあれば、項目に沿って内容を埋めていくだけで良質な文書が完成します。
また、複数の担当者で分担して作業する場合も、テンプレートがあれば文書の形式が統一され、読みやすい成果物が作れます。
一度良いテンプレートを用意しておけば、その後のドキュメント作成がぐっと楽になるでしょう。
体裁を整えやすい
システム開発の文書では、内容だけでなく見た目も大切です。ドキュメント作成ツールを使えば、文書の体裁を整えるのが簡単になります。
ドキュメント作成ツールの便利な機能には以下のようなものがあります。
- 文字の大きさや色を簡単に変更できる
- 箇条書きや表の作成が楽
- 図の配置が自由自在
- スタイルの一括変更が可能
特に複数の担当者で文書を作る場合、ドキュメント作成ツールを使うと形式を統一しやすくなります。誰が作成しても同じような見た目に仕上がるため、文書全体の質が保てます。
また、後から修正が必要になった場合も、ドキュメント作成ツールなら簡単に直せます。手作業で1つずつ直す手間が省けるのです。見やすい文書は、読み手の理解を助け、スムーズなプロジェクト進行につながります。
ドキュメント作成ツール「DocBase」のMarkdown記法と書き方
おすすめのドキュメント作成ツール

ドキュメント作成を目的としたツールは数多く存在します。ここでは主なドキュメント作成ツールを紹介していきます。
- DocBase
- esa
- Qast
- flouu
- NotePM
DocBase

【DocBaseの特徴】
- 導入件数1万件以上
- 業界初ハイブリッドエディターで、マークダウンとリッチテキストの両方が利用可能
- マルチデバイスや外部ツール連携に対応可能
- 直感的な操作感で利用に迷わない
- ISO27001の認証取得済
- 優れたコストパフォーマンス
DocBaseは、チームのナレッジを効率的に一元管理・共有できる情報共有ツールです。社内Wikiだけでなく、マニュアルや設計書、日報などの作成機能も付いており、さまざまな情報を作成・共有できます。
エディターには、マークダウンとリッチテキストのハイブリッドエディターを採用しています。また、マルチデバイスにも対応済みであり、PCやスマートフォン、タブレットのいずれからでも利用可能です。操作も直感的にできるため、初めて操作する人でもマニュアルが手離せないという可能性は低いでしょう。
セキュリティ性も高く、ISO27001の認証を取得済であるため、安心して利用できます。その一方でコスト面はリーズナブルに設定されており、一人あたり214円で情報共有ツールを導入可能です。また、30日間の無料トライアルもあるため、ぜひ導入前に利用し、使用感を確かめてみてください。
【DocBaseの費用・料金プラン】
無料トライアル | スターター | ベーシック | レギュラー | ビジネス | |
料金 | 0円 | 990円/月 | 4,950円/月 | 9,900円/月 | 21,450円/月 |
ユーザー数 | 無制限 | 3人 | 10人 | 30人 | 100人 |
ストレージ | 無制限 | 3GB | 10GB | 30GB | 100GB |
esa

【esaの特徴】
- 「情報を育てる」がコンセプト
- 入力補助機能で作成をサポート
- 各種外部ツールとの連携も可能
- 最長2か月の無料利用が可能
esaは「情報を育てる」がコンセプトの社内Wikiツールです。ナレッジ共有ツールとしても利用できます。コンテンツは完成してから公開するものではなく、途中でも公開してしまい、完成まで皆でブラッシュアップすれば良いというのがesaの考え方です。
社内Wikiとして利用できる一方、コミュニケーション性も高く、チャット機能などを利用して気軽にやり取りできます。社内Wikiだけでなく、カジュアルにやり取り可能な環境もツールに求めたい場合にピッタリです。
【esaの費用・料金プラン】
無料 | 通常 | |
料金 | 無料 | 1ユーザー500円/月 |
期間 | チーム作成月から2か月後の月末まで | 無料期間終了後~ |
Qast

【Qastの特徴】
- Q&A形式、タグ付けとカテゴリ分けで情報を整理しやすい
- Slack連携でさらに利用が便利に
- コミュニケーションを活性化する機能も搭載
- ナレッジコンサルタントからのサポートあり
Qastは、Q&Aを主軸としたナレッジ共有ツールで、社内Wiki機能も搭載されています。情報・文書を1か所に集約するだけでなく、Q&A方式でナレッジを蓄積していくことで、不明だった点が明快になります。また、高度な検索性を持っており、欲しい情報に素早くアクセス可能です。
加えて、ナレッジコンサルタントが導入時からサポートに入ってくれるため、導入~浸透までが軌道に乗りやすい点も特徴です。自社だけでの導入が不安、サポートが手厚い方が良いという場合に適しています。
【Qastの費用・料金プラン】
- 要相談
flouu

【flouuの特徴】
- AWSを利用した高いセキュリティ
- ISO27001の認証取得
- さまざまなサービスとの連携が可能
flouuは、チーム内の情報共有を支援するツールですが、議事録作成にも利用可能。リアルタイムでの編集やコメントが可能で、会議中にその場で議事録を完成できます。
音声を用いた議事録作成は不可ですが、多くの参加者のメモや実際の会議資料を活用して議事録を作成します。手間がかかるのは仕方ない側面はありますが、さまざまなサービスと連携して、議事録作成の手間を大幅に削減できるかもしれません。
【flouuの料金プラン】
基本料金 | |
料金 | 660円/月※1ユーザーあたり |
ユーザー数 | 無制限 |
ストレージ | 10GB |
※別途「セキュリティオプション」「OCRオプション」を追加可能
NotePM

【NotePMの特徴】
- 社内Wikiや社内FAQとして活用可能
- 利用状況を分析レポートから把握できる
- 全文検索やダッシュボードカスタマイズなどさまざまな機能が搭載されている
- セキュリティ性が高く、医療機関や金融機関に導入実績有り
NotePMは、社内の情報共有やナレッジ管理を効率的に行える社内Wikiツールです。マニュアル作成や社内FAQ作成ツールとしても、利用できます。
テンプレート機能や下書き機能、ダッシュボードカスタマイズ機能など、ツール利用側に魅力的な機能が多数搭載されており、ストレスフリーで情報共有が可能です。加えて、コメント機能やいいね機能などSNSに似た機能も実装されているため、コミュニケーション促進の効果も見込めます。
【NotePMの費用・料金プラン】
プラン8 | プラン15 | プラン25 | プラン50 | プラン100 | プラン200~ | |
料金 | 5,280円/月 | 9,900円/月 | 16,500円/月 | 33,000円/月 | 66,000円/月 | 132,000円/月 |
ユーザー数 | 8人まで | 15人まで | 25人まで | 50人まで | 100人まで | 200人まで |
ストレージ | 80GB | 150GB | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
システム開発もそれ以外も、ドキュメント作成ならDocBaseがおすすめ

ドキュメント作成は、システム開発において欠かせない重要な工程ですが、適切なツールを活用して、多くの課題を効率的に解決できることを紹介してきました。
ドキュメント作成ツールを使うと、文章の構造化が容易になり、画像や表の挿入も簡単に行えます。さらに、テンプレート機能を活用すれば、必要な項目を漏れなく記載でき、チーム内での文書の統一性も保てます。体裁の整理も自動化して、本来注力すべき内容の質の向上に時間を使えるようになります。
ドキュメント作成ツールにはDocBaseがおすすめです。システム開発に特化した機能を備えており、提案依頼書から運用マニュアルまで、さまざまなドキュメント作成が効率的に可能です。複数人での共同編集や、バージョン管理機能も充実しているため、チームでのドキュメント作成作業を大幅に効率化できるでしょう。
ドキュメント作成の効率を上げ、より質の高い文書を作るために、ぜひドキュメント作成ツールの活用を検討してみてください。
DocBaseは、ドキュメント作成ツールとして、以下のような事例で活用されています。
目的 | 事例 | 効果 |
社内情報共有・ナレッジ共有 | ・会議議事録、社内ルール、業務マニュアル、研修資料、日報などを共有し、社内Wikiとして活用する・技術的な情報共有の場として、エンジニアがコーディングガイドライン、作業手順、デプロイ方法などを共有する・部署を越えた情報共有を促進し、他の部署が何をしているか、重点的に取り組んでいることを可視化する | ・社内Wikiとしての活用・技術情報共有の促進・部署を越えた情報共有の促進・新入社員の教育コスト削減・FAQサポートの効率化、質問対応時間削減・新入社員が入社した際の教育コストを削減する |
ドキュメント作成の効率化 | ・マークダウン形式で記述できるため、構造化されたテキスト情報を効率的に作成・数式やUMLなどの技術的な情報を記述する・図や画像、アニメーションGIFなどを簡単に挿入して、手順書などを作成・Wordファイルなどの既存ドキュメントをマークダウンに変換してDocBaseに集約する | ・構造化されたテキスト情報の効率的な作成・技術情報の記述・手順書などの作成効率化・既存ドキュメントの集約 |
外部との情報共有 | ・社外のメンバー(業務委託、インターンなど)との情報共有を円滑にする・顧客向けのマニュアルやFAQを共有する | ・社外メンバーとの情報共有の円滑化・顧客向け情報の提供 |