ナレッジマネジメントとは?おすすめツール10選【効果・メリット・導入・運用】
企業において、業務に関する情報は貴重な財産であるため、しっかり集約・共有・管理を行う必要があります。その際役に立つツールが、ナレッジマネジメントツールです。しかし、どのようなツールを選ぶべきか、そもそもナレッジマネジメントとはどういうものなのか知らない、という企業も少なくありません。
本記事では、ナレッジマネジメントのメリットやおすすめのツールについて解説します。参考にして自社内でナレッジマネジメントを習慣化し、業績アップに繋げましょう。
【この記事を読んでわかること】
- ナレッジマネジメントとは、個人が持っている業務を行ううえで役立つ情報を集約・共有・管理すること
- 属人化の解消、生産性向上、効率的な人材区制などのメリットがある
- ツールを選ぶポイントは、操作性・機能・セキュリティ・費用
- ナレッジマネジメントの基礎理論となるのは「SECIモデル」
- 投稿へのモチベーションを高める、検索しやすくすることが成功のポイント
目次
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントとは、個人が持っている業務上の役立つ情報を、集約・共有・管理することです。「知識管理」「知識経営」などと和訳されるケースもあります。
従来日本では、終身雇用制度を前提に長期的な人材育成を行ってきました。そのため、業務情報を多少個人が持っていても、さほど悪影響にはなりませんでした。しかし、近年終身雇用制度が崩壊し、業務情報を持った個人が突然いなくなってしまうケースが増えています。そのため、意識して業務情報を共有し、競争力を高める必要が出てきました。
ナレッジとは
ナレッジとは、業務上で役立つ情報の総称です。具体的には、業務に関連する知識や知見・スキル・ノウハウなどが該当します。個人的な感想や、業務と無関係のプライベートな情報などは、ナレッジに含まれません。
ナレッジは、業務内容や部署ごとに固有のものがあります。そのため、ナレッジマネジメントの際は、どこか一部の部署だけが努力してもあまり意味はありません。企業全体で取り組むことで、会社の成長につながります。
「形式知」と「暗黙知」
ナレッジには、形式知と暗黙知の2種類があります。
形式知とは、言語化され、人に伝えたり共有したりできる形の知識です。社内マニュアルなどが形式知に該当します。一方暗黙知は、業務上の知識の中でも主観的・個人的・感覚的なものです。いわゆる、経験から得た知識は暗黙知に該当します。
ナレッジマネジメントとは、暗黙知を形式知に変える作業でもあります。その人しかわからない知識(暗黙知)を言語化して共有し、他の人にわかる知識(形式知)にして、はじめて会社全体の知識財産になるのです。
ナレッジマネジメントが注目される背景
ナレッジマネジメントが注目される背景には、前述したように、終身雇用の崩壊があります。長期的な人材育成ができなくなっているため、情報を個人で持ち続けられると、やがて会社の損失となってしまうのです。
さらに近年は、終身雇用の崩壊以外にも労働環境に変化が起き、ナレッジマネジメントが注目される結果となっています。具体的には、以下のとおりです。
- リモートワークなど働き方の多様化
- 生産性アップによる競争力強化
順に見ていきましょう。
リモートワークなど働き方の多様化
ナレッジマネジメントが必要になった原因の一つは、働き方の多様化です。昨今はリモートワークや時短勤務、サテライトオフィスでの勤務などが一般的になり、全社員が同じ場所に出勤して働くとは限らなくなりました。
すると、今まで同じ場所で仕事をすることで、自然にできていたノウハウの継承が困難になります。そのため、ナレッジマネジメントによる意識的なノウハウ共有・継承が必要となりました。
生産性アップによる競争力強化
生産性アップによる競争力強化が求められるようになったのも、ナレッジマネジメントが必要になった原因の一つです。
働く環境のグローバル化などにより、従来のように時間のかかる社員の育成方法が通用しなくなってきました。また、各業界で人材不足が起こっているため、マンパワーに頼った競争力強化が困難になりました。
そのため、生産性を上げて労働力の減少をカバーする必要があります。ひいては、教育の効率化による即戦力化、ノウハウの共有にある生産性アップの重要性が高まりました。
ナレッジマネジメントの効果・メリット
ナレッジマネジメントがもたらす具体的な効果・メリットは、以下を参照してください。
- 属人化の解消と予防
- 生産性の向上
- 効率的な人材育成
順に解説していきます。
属人化の解消と予防
ナレッジマネジメントは、業務情報の属人化の解消と予防に役立ちます。情報の属人化とは、情報が個人だけのものとなっており、他の人にわからない状態です。
情報が属人化している業務は、担当者が休んだり退職したりした場合、誰も代わりに業務を請け負えなくなってしまいます。結果として、業務が一時的にストップしたり、通常以上の手間がかかってしまったりします。
そこで、前もってナレッジを共有することで、情報の属人化を解消・予防することが可能です。
生産性の向上
ナレッジマネジメントは、生産性の向上にもつながります。経験豊かな社員のノウハウを共有することで、若い社員も作業の質を高めやすくなります。結果として、若い社員の教育が捗ったり、仕事の品質を高いレベルで安定させられたりというメリットになるのです。
また、担当者以外にも業務のやり方やコツが共有されることで、多能工化が可能となります。一人ひとりの仕事の幅が広くなり、生産性向上が促進されます。
効率的な人材育成
ナレッジマネジメントは、効率的な人材育成を実現します。
社員は、わからないことを自分で調べられる環境で働けます。結果として、人の手を借りず自力で成長できるようになるのです。また、教える側の社員も質問される回数が減り、自分の作業に集中できます。
ひいては、会社全体で、少ない手間での人材育成が可能です。業務の効率化も同時に可能となり、生産性のさらなる向上が期待できます。
ナレッジマネジメントツールを選ぶポイント
ナレッジマネジメントを選定する際は、ポイントを押さえておきましょう。具体的に注意すべき点は、以下のとおりです。
- 操作しやすい
- マルチデバイス対応
- 自社の用途に合っている
- セキュリティ対策が十分である
- スモールスタートで始められる
- 費用と機能のバランスが適切
できる限り、すべての条件を満たしたツールを選ぶようにしましょう。1つずつ見ていきます。
操作しやすい
まず、操作しやすいかどうかに着目しましょう。便利なツールや使った方が良いツールであっても、操作が複雑であれば定着しません。「使うのが面倒」と思われ、利用率が落ちるためです。
ナレッジマネジメントの場合、とくに注目すべきは、投稿・検索の両方がしやすいかどうかです。主に投稿記事を作成するのは、ノウハウを持っている現場の人になります。業種によっては、デバイスの操作に不慣れな人ばかりというケースもあり得ますが、それでも問題なく運用できるツールかどうか確認しておきましょう。また、検索する人は主に新人で、タイミングは業務中であるケースが多いと想定されます。そのような状況でサッと検索できるかどうかも、確認すべきポイントです。
マルチデバイス対応
マルチデバイス対応かどうかも、確認しておきましょう。マルチデバイスとは、該当ツールやシステムが、複数種類の端末で同じように操作できる仕様のことです。
PCでしか操作できない場合、腰を落ち着けられ、かつ電源が確保できる場所でなければ、ツールを利用できません。しかし、スマートフォンやタブレットでも操作できれば、活用方法が広がります。作業中や移動中などの隙間時間にチェック可能となる他、出張などで出先にいても問題なく利用できます。
自社の用途に合っている
自社の用途に合っているかどうかも、重要なポイントです。ナレッジマネジメントのツールとひと口に言っても、実際はツールにより細かい部分の機能が異なります。強みやデメリットも異なるため、自社での目的・用途に合ったものを選ぶ必要があります。
まずは社内で、現在どういう課題が起きており、何の機能によって課題を解決したいのか整理しましょう。そのうえで、求めている機能を持ったツールを選んでください。
セキュリティ対策が十分である
セキュリティ対策が十分かどうかも、要チェックポイントです。
社内のナレッジは、自社独自の財産です。そのため、競合他社などに漏れると、自社の損失につながります。また、顧客情報などが流出してしまうと、企業に対する社会的信用に悪影響を及ぼします。
そのため、ツールにはセキュリティ対策が必要です。外部からの侵入に強い、内部のアクセス制限が設定できるなど、具体的な対策が実装されているか確認しておきましょう。また、ISO27001は、情報セキュリティの国際規格です。そのため、認証取得済みのツールは、一定基準のセキュリティ性を確保できていると判断できます。
スモールスタートで始められる
スモールスタートで始められるかどうかも、確認しておいてください。スモールスタートとは、小規模・少人数から大がかりなことを始める考え方です。
ツールの導入は、最初から全社的に行うと混乱が生じやすくなります。そのため、はじめは狭い範囲で試験的に導入し、試行錯誤してから範囲を広げていくスモールスタートがおすすめです。
ただし、最終的には全社的にツールを浸透させるのがゴールとなります。後からユーザーが増えていくことを見越し、ツールも後からユーザー数の枠を拡張できるものが適しています。
費用と機能のバランスが適切
費用と機能のバランスが適切かどうかも注意してください。
一般的なナレッジマネジメントツールは、コストがかかります。コストはさらに、導入コストと運用コストの2種類に分かれます。費用については、利用する人数でも変動するため、実際に何人で使うつもりなのか想定しておきましょう。
現実問題として、コストが払えなければツールを利用し続けられません。しかし、安さだけで選んだ結果、ツールに必要な機能がなければ本末転倒です。費用と機能のバランスを考えて、検討してください。
おすすめナレッジマネジメントツール10選
以下は、具体的なおすすめナレッジマネジメントツールをまとめたものです。
- DocBase
- Confluence
- Cosense
- Knowledge
- GROWI
- NotePM
- QiitaTeam
- Domo
- Dropbox Paper
- flouu
いずれも優れた点を持っていますが、どこが優れているかはそれぞれ異なります。自社の持つ課題と照らし合わせながら、解説を読みましょう。
DocBase
【DocBaseの特徴】
1万件以上になる導入実績。シンプルなUIで投稿・検索が簡単にできる。マルチデバイスに対応高いセキュリティ性で安心して利用が可能。コストパフォーマンスに優れる。 |
DocBaseは、社内Wiki、マニュアル作成、議事録作成などナレッジマネジメントに欠かせない機能をいくつも搭載したツールです。自社の情報を一元管理・共有したいと考えている場合にぴったりです。
マークダウンとリッチテキストのハイブリッドエディターの採用と、シンプルなUIで、直感的な操作ができます。そのため、はじめてツールを扱う人や、デジタル関係のことに弱い人にも、楽に操作が可能です。
セキュリティ性が高く、2段階認証などさまざまなセキュリティ対策機能が搭載されています。ISO27001の認証も取得済みであり、セキュリティ性を重視したいケースにもぴったりです。
金額設定もリーズナブルで、ビジネスプランの場合一人あたり月額214円に設定されています。さらに、30日間の無料トライアルを併用すれば、導入後に自社に合わないことがわかったというトラブルも回避可能です。
【DocBaseの料金プラン】
無料トライアル | スターター | ベーシック | レギュラー | ビジネス | |
料金 | 0円 | 990円/月 | 4,950円/月 | 9,900円/月 | 21,450円/月 |
ユーザー数 | 無制限 | 3人 | 10人 | 30人 | 100人 |
ストレージ | 無制限 | 3GB | 10GB | 30GB | 100GB |
Confluence
(引用:Confluence)
【ツールの特徴】
ブレインストーミングに便利なホワイトボード機能搭載。AI搭載で業務の効率化が図れる。カスタマイズに利用できるアプリは3,000以上。 |
Confluenceは、自社内の文章を連携させた状態で一元管理できる、ナレッジマネジメントツールです。情報の管理だけでなく、プロジェクト管理やナレッジベースの構築機能も備えています。
とくに個性的な機能としては、ブレインストーミングに最適なホワイトボード機能です。真っ白な面に図形などを簡単に描画できるため、アイディアの洗い出しや、図を活用したフローチャート作成などにも利用できます。そのため、IT業界やクリエイティブ業界での導入実績が多い傾向にあります。
【Confluenceの料金プラン】
Free | Standard | Premium | Enterprise | |
料金 | 0円 | 645円/月※1ユーザーあたり | 1,174円/月※1ユーザーあたり | 要問い合わせ |
ユーザー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ストレージ | 無制限 | 250GB | 無制限 | 無制限 |
Cosense
(引用:Cosense)
【Cosenseの特徴】
自動整理機能で楽々情報整理できる。1アクションで画像、動画、地図添付などが簡単にできる。投稿のハードルを下げたい場合におすすめ。 |
Cosenseは、投稿へのハードルを下げたいという場合におすすめのナレッジマネジメントツールです。単に投稿が簡単なだけでなく、1アクションで画像や動画、地図などが添付できるため、記事投稿への心理的ハードルが下がりやすくなります。ひいては、導入してすぐでも「使ってみよう」という気持ちになりやすく、定着しやすいツールと言えます。
また、リンクやタグを利用した自動情報整理機能がついているため、情報が溜まる一方で整理できていないというトラブルも予防可能です。
【Consenseの料金プラン】
PERSONAL / EDUCATION(個人・非営利団体の利用限定) | BUSINESS | BUSINESS ENTERPRISE | |
料金 | 無料 | 1ユーザー1,100円/月 | 要相談 |
ユーザー数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
作成可能ページ数 | 無制限 | 100~300ページ | 無制限 |
Knowledge
(引用:Knowledge)
【Knowledgeの特徴】
オープンソース型ツール。高いカスタマイズ性を有するが、自社での構築が前提コミュニケーション機能で情報共有を活性化できる。無料で利用可能。 |
Knowledgeは、オープンソースのナレッジマネジメントツールです。オープンソースであるため、高いカスタマイズ性を有しており、自社に合わせてシステムを構築できます。完全無料であるため、費用のことを考えなくて済む点も嬉しいポイントです。マルチデバイスにも対応しており、コメントやファイル添付機能も搭載されています。
ただし、自社に完全に合わせるには、専門知識を持ったうえでのカスタマイズが必要です。簡単セットアップ機能はついていますが、Knowledgeの強みを十分に活かすのであれば、カスタマイズを前提に検討した方が良いでしょう。
【Knowledgeの料金プラン】
- 完全無料
GROWI
(引用:GROWI)
【GROWIの特徴】
オープンソース形ツール。完全無料で利用可能。リアルタイムプレビュー機能搭載。Markdown記法対応。 |
GROWIは、オープンソースのナレッジマネジメントツールです。社内Wiki、ファイル共有や同時編集など、さまざまな機能が搭載されています。図形作成が簡単にできるため、視覚的な情報を織り込んだ資料も簡単に作成・共有できます。視覚的情報が大きい業種には、とくにおすすめです。
前述したKnowledgeと同様、オープンソース形式かつ完全無料のツールです。そのため、導入後のカスタマイズも大きな要素となりますが、GROWIではデモで操作感を試せます。そのため、本格導入する前に操作感を実体験したうえでの比較検討が可能です。
【GROWIの料金プラン】
- 完全無料
NotePM
(引用:NotePM)
【NotePMの特徴】
検索性に優れる1クリックリアクション機能でコミュニケーションを促進。活用状況をレポートで分析可能セキュリティ性が高く、医療機関や金融機関に導入実績あり。 |
NotePMは機能の数が多く、シーンを問わず利用できるナレッジマネジメントツールです。文書管理だけでなく、マニュアル作成や社内wiki、社内FAQなど、情報の一元管理に欠かせないツールが揃っています。
検索性に優れるのもポイントで、欲しい情報に対するアクセススピードが早いです。業務中わからないことを調べるのに利便性が高く、まだ知らないことが多い新入社員にとって重宝する存在になるでしょう。
また、コメントやいいね機能を搭載しているため、SNSのようにカジュアルなコミュニケーションを促進できる点も特徴です。
【NotePMの料金プラン】
プラン8 | プラン15 | プラン25 | プラン50 | プラン100 | プラン200~ | |
料金 | 4,800円/月 | 9,000円/月 | 15,000円/月 | 30,000円/月 | 60,000円/月 | 120,000円/月 |
ユーザー数 | 8人まで | 15人まで | 25人まで | 50人まで | 100人まで | 200人まで |
ストレージ | 80GB | 150GB | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
Qiita:Team
(引用:Qiita:Team)
【Qiita:Teamの特徴】
Markdown入力のシンプルエディタ。外部サービスとの連携機能に優れており、直感的なUIで簡単検索・簡単作成が可能。7日間の無料トライアル有り。 |
Qiita:Teamはエンジニアコミュニティ「Qiita」が運営するナレッジマネジメントツールです。シンプルさを重視したUIに強みがあり、見やすい管理・操作画面になっているため、はじめて利用する人でも迷いにくい仕様になっています。
コミュニケーションにつながるコメント機能や、テンプレートのカスタマイズ機能など、さまざまな機能が搭載されている点も魅力です。外部サービスとも連携可能であるため、すでに別のツールを使っており、Qiita:Teamを追加で使いたいという場合は、連携関連のことも確認して法が良いでしょう。
7日間の無料トライアルもあるため、導入前に使用感を試すことも可能です。
【Qiita:Teamの料金プラン】
Personal | Micro | Small | Medium | Large | Extra | |
料金 | 500円/月 | 1,520/月 | 4,900/月 | 7,050/月 | 15,300/月 | 15,300~ |
ユーザー数 | 1人 | 3人まで | 7人まで | 10人まで | 17人まで | 人数制限なし |
ストレージ | 30GB | 30GB | 30GB | 30GB | 30GB | 30GB |
Domo
(引用:Domo)
【Domoの特徴】
あらゆるファイル形式に対し連携・加工・統合化できる。ローコードでアプリを開発できるシンプルなUIで操作しやすい。無料トライアルは30日間。 |
Domoは、データの整理・統合に強みを持つグループウェアです。資料ファイルの形式はさまざまであるため、扱うにはそれぞれのファイル形式に合ったツールが必要となるのが一般的です。しかし、Domoではすべての形式のファイルを扱えるため、ファイル形式に注意を払う必要がなくなります。業務上、さまざまなファイル形式を一挙に扱うという場合はとくにおすすめです。
他にもローコードでのアプリ開発や、シンプルで使いやすいUIなど、ユーザーにとって魅力的な特徴を兼ね備えています。無料トライアルは30日間です。
【Domoの料金プラン】
- 具体的な金額は要問い合わせ
- 有償プランにはスタンダード、エンタープライズ、ビジネスクリティカルの3種類がある
Dropbox Paper
(引用:Dropbox Paper)
【Dropbox Paperの特徴】
Dropboxの機能のひとつドキュメントをプレゼン資料に変換できる。タスク管理表やカレンダーの作成が可能。無料トライアルがあるのはエッセンシャル以上のプラン |
Dropbox Paperは、クラウドベースのドキュメント作成ツールです。オンラインストレージ「Dropbox」の機能のひとつで、チームでの情報共有やプロジェクト管理に有効です。共同編集機能の高さに優れており、同一のドキュメントをリアルタイムで編集できます。また、動画や音楽などを入れ込むことも簡単です。
テンプレートも豊富に揃っているため、マニュアル作成だけではなく、タスク管理表やカレンダーも作れます。クリエイターなど、チームでの仕事が多い業種に最適です。無料トライアルは30日間です。
なお、トライアルは「Plus」プランにはありません。注意してください。
【Dropbox Paperの料金プラン】
Plus | Essentials | Business | Business Plus | |
料金 | 1,200円/月 | 2,000円/月 | 1,500円/月※1ユーザーあたり | 2,400円/月※1ユーザーあたり |
ユーザー数 | 1人 | 1人 | 3人~ | 3人~ |
ストレージ | 2TB | 3TB | 9TB~ | 15TB~ |
- 無料トライアルが利用できるプランはエッセンシャル、ビジネス、ビジネスプラス
- 再安価のプラスプランにはトライアルがないため注意
flouu
(引用:flouu)
【flouuの特徴】
AWSを利用した高いセキュリティISO27001の認証取得。全文検索機能付き。トライアル期間は登録後14日間。 |
flouu(フロー)は、マニュアルから社内Wikiまで作成できるナレッジマネジメントツールです。全文検索機能が搭載されており、高い検索性を持つ点が魅力です。また、セキュリティ対策に力を入れており、ISO27001を取得しています。データ消失対策として、毎日自動でバックアップしてくれるため、うっかり削除してしまい戻らなくなったというトラブルも回避できます。
トライアル期間は14日間です。登録してから14日間のカウントがスタートするため、トライアルを利用する際は、登録後すぐに導入を開始するのがおすすめです。
【flouuの料金プラン】
基本料金 | |
料金 | 660円/月※1ユーザーあたり |
ユーザー数 | 無制限 |
ストレージ | 10GB |
※別途「セキュリティオプション」「OCRオプション」を追加可能
ナレッジマネジメントの進め方
ナレッジマネジメントは、以下の手順に沿って進めるとスムーズです。
- STEP①目的を明確にする
- STEP②対象となる情報を決める
- STEP③仕組みを構築してPDCAを回す
ツール導入は②と③の間で行います。焦って導入するのではなく、まずは準備として①と②をしっかり行いましょう。順に見ていきます。
STEP①目的を明確にする
まずは、ナレッジマネジメントを行う目的を明確にしましょう。マネジメントの必要を感じているのは、現状に何か課題があるためです。作業の標準化や品質の底上げ、顧客対応のスピードアップなど、具体的な課題内容は企業によって異なります。しかし、いずれの場合でも、課題を明確にすると、ナレッジマネジメントに期待する効果もはっきりします。
なお、ツールを利用する場合は、機能についても考えておきましょう。どのような機能が必要か、本当に課題への解決策になっているのかなどを確かめてから、ツール導入を決定するのがおすすめです。
STEP②対象となる情報を決める
①を終えたら、次はマネジメントの対象となる情報(ナレッジ)を決定しましょう。企業内にはさまざまな種類の情報が存在しますが、その中で具体的にどの情報を扱うのかはっきりさせます。①で目的がきちんと決まっていれば、集めるべき情報の種類も自然に決まるため、難しい作業ではありません。
情報の可視化・共有の形はケースバイケースです。たとえば、機密情報は全社員でなく一部の管理職だけに共有するなど、情報の種類によって共有範囲を決めていきます。また、どのような形でまとめるかも検討項目です。マニュアル形式にすべきか、社内Wiki形式の方が見やすいかなど、自社に合わせた形を考えてください。
ツールを利用する場合は、この段階で候補を絞り込んでいきます。
STEP③仕組みを構築してPDCAを回す
最後にマネジメントの仕組みを構築し、PDCAを回してブラッシュアップしていきましょう。
仕組みを構築する際は、①で明確化したマネジメントの目的を意識し、達成できる形になっているかどうか注意してください。また、不要な業務などは廃止し、無駄をなくしていくのも重要です。たとえば、社内申請手続きをツールにすべて任せるのであれば、今まで設置していた問い合わせ窓口は廃止してもかまわないことになります。
実際にマネジメントを始めたら、PDCAで改善していきます。スモールスタートを行う場合は、まず小規模の状態でPDCAを回してください。そこでおおむねの問題が解決されたら、徐々に拡大していくのがおすすめです。
ナレッジマネジメントの基礎理論「SECIモデル」
ナレッジマネジメントには「SECIモデル」と呼ばれる基礎理論があります。以下4つのプロセスの頭文字から、このような名前になっています。
- 共同化(Socialization)
- 表出化(Externalization)
- 結合化(Combination)
- 内面化(Internalization)
順に解説します。
共同化(Socialization)
共同化(Socialization)とは、複数人で同じ経験をして、暗黙知を共有するプロセスです。目的は五感を使っての情報共有と、相互理解です。たとえば、上司が部下の目の前で仕事を行い、見て覚えさせるのは共同化に含まれます。また、一つの仕事を一緒に行うのも共同化です。
共同化の段階では、情報を暗黙知のままにしておいてかまいません。そのため、言葉や文章などでの説明は一切要りません。
表出化(Externalization)
表出化(Externalization)とは、暗黙知を形式知に変換する作業です。仕事の言語化や、動画への録画などが表出化にあたります。
表出化の作業によって、個人の経験やノウハウでしかなかった暗黙知が、他社に共有可能な形に変換されます。表出化のプロセスを行わないと、情報は暗黙知として属人化したままになり、会社の共有財産になりません。
結合化(Combination)
結合化(Combination)とは、前述の表出化で生み出した形式知を組み合わせる作業です。形式知同士が結合することで、新たな形式知を生み、会社を成長させる財産となります。
たとえば、誰かのノウハウを共有してもらい、自分の仕事に照らし合わせることで、新しいアイディアが生まれるケースがあります。このような現象が結合化です。
なお、結合化がきっかけで生まれた知識は、自動的に形式知となります。
内面化(Internalization)
内面化(Internalization)とは、形式知を反復などによって自分のものとし、再び暗黙知にすることです。
たとえば新しいツールを扱う際、はじめはマニュアル(形式知)の力を借りなければ、思い通りの操作ができないこともあるでしょう。しかし、何度も同じ操作を繰り返していると、マニュアルなしでも操作方法がわかるようになったり、より便利な操作方法を思いついたりします。これが、暗黙知に再変換された状態です。
内面化まで辿り着くのは、個人がスキルを習得した証拠です。ひいては、企業の成長という結果が出たことになります。
ナレッジマネジメントの種類
ナレッジマネジメントそのものにも種類があります。具体的には、以下の4つです。
- 顧客知識共有型
- ベストプラクティス共有型
- 専門知識型
- 経営資本・戦略策定型
目指すタイプがどれにあたるかは、企業だけでなく部署などの括りによっても異なります。それぞれについて確認しましょう。
顧客知識共有型
顧客知識共有型とは、ナレッジがもっぱら顧客対応関連のものになるタイプを指します。顧客対応のナレッジを共有し、今後の対応をブラッシュアップしていくのが目的です。また、ナレッジを蓄積していくことで、顧客対応業務の質が向上したり、担当者間の連携がスムーズになったりします。
例としては、営業ノウハウをはじめ、クレーム対応や問い合わせ対応などが該当します。
ベストプラクティス共有型
ベストプラクティス共有型とは、モデルケースとなる優秀な社員の行動や価値観をナレッジとして共有するタイプです。目的は、他の社員にとって目指すべき姿を周知して、全体のスキルの底上げを図ることです。
たとえば、営業の中でも成績の良い社員の行動パターンやノウハウなどを形式知とし、共有します。すると他の営業社員も良い点が真似でき、最終的には部署全体の成績向上につながります。
専門知識型
専門知識型とは、特定の分野に対し、組織の内外を問わずナレッジを集約して共有しておくタイプです。目的は、社員が該当分野に対し疑問を抱いた際に、答えを素早く確認できるような環境を実現することです。そのため、ナレッジの集約だけでなく、閲覧・確認の操作もスムーズにできなければなりません。
たとえば、新しいツールを導入するタイミングで、あらかじめ社内FAQを作成しておく行為が該当します。社内FAQを用意しておけば、社員は自力で問題を解決できます。
経営資本・戦略策定型
経営資本・戦略策定型とは、集約したナレッジを分析して、戦略・方針を立てるのに役立てるタイプです。目的は新しい戦略を立てることであるため、ただナレッジを管理しておけば良いというわけではなく、ナレッジを元に試行錯誤する必要があります。また、複数種類のナレッジが同時に必要になるケースもあります。
たとえば、新しい営業戦略を考える際は、顧客情報や競合サービスに対しての情報などが必要です。それらを揃えて多角的に分析し、新たなアイディアを生み出して、はじめて目的が達成されます。
ナレッジマネジメント成功のコツ
ナレッジマネジメントを成功させるには、コツがあります。具体的には、以下のとおりです。
- ナレッジを共有したときの評価を仕組化する
- アウトプットのハードルを下げる
- 検索しやすさ・使いやすさを高める
- 推進する担当者を決める
- ツールを活用する
順に解説していきます。
ナレッジを共有したときの評価を仕組化する
ナレッジを共有した際、評価できる仕組みにしておくのは重要です。投稿に対するリアクションがない場合、投稿に対するモチベーションが下がるためです。モチベーションが下がると投稿の数が減っていき、ひいては利用率が低下して、ナレッジマネジメントがつまずく原因になります。
そこで、共有した際にいいねやコメントでリアクションできるようにしておくと、投稿者は自分の投稿が評価されているのを見て、次の投稿に対するやる気が出ます。また、投稿数や品質の高い投稿に対し、何かしらのインセンティブを用意しておくのも有効です。
アウトプットのハードルを下げる
アウトプット(投稿)のハードルを下げるのもポイントです。投稿時の操作が複雑で面倒だったり、投稿時にミスをしたら責められるような雰囲気になったりすると、ユーザーは投稿しにくくなっていきます。
まずはフォーマットを用意する、操作性の良いツールを使うなどして、簡単に投稿できる状態を作ってください。内容に関しても、投稿してからブラッシュアップしていく流れ・雰囲気を作ることで、多少内容にミスがあってもかまわないんだとユーザーに思ってもらいましょう。
担当者や経営陣など、誰か積極的に投稿する人を立てることも、雰囲気づくりに役立ちます。投稿そのものもサンプルになり、他の人が投稿イメージをしやすくなります。
検索しやすさ・使いやすさを高める
検索しやすさ、使いやすさを高めることも忘れないようにしましょう。ユーザーは、使いやすいツールであればあるほど、進んで使うようになります。一方、使いにくければ「面倒」という心理が生まれ、使うよう促してもなかなか使わなくなります。
ツールを選ぶ際も、検索機能や投稿機能が充実したツールにするのがおすすめです。また、タグの設定など投稿ルールをある程度決めておくことで、投稿・検索時の指針となり、さらに便利になります。
推進する担当者を決める
ナレッジマネジメントを推進する担当者も、できるだけ決めておきましょう。ツール導入の目的や操作方法を周知・浸透するのが具体的な業務となります。また、軌道に乗るまで投稿を積極的に行ったり、ツールの管理を行うのも業務のうちです。
ただし、推進担当者は負荷がかかる役割でもあります。やって当然と考えたり、担当者の努力にあぐらをかいたりしてはいけません。働きを認め、場合によってはインセンティブを与えることが重要です。
ツールを活用する
できるだけツールを活用するのもコツの一つです。ナレッジマネジメントの際、ツールを使わず自前で管理するより、専用のツールを使った方が、格段に便利です。
自前での管理もできなくはありませんが、人がナレッジの整理を行うことでミスが発生しやすくなります。また、ナレッジマネジメントに人手が割かれると、業務効率化の効果が薄まり、会社の成長を阻んでしまいかねません。
費用が問題であれば、本記事でいくつか紹介したように、無料のツールも複数提供されています。無理に人力で行うことにこだわらず、ぜひツールを使って、簡単かつ便利にナレッジマネジメントを進めましょう。
ナレッジマネジメントならDocBaseがおすすめ
ツールを使ってナレッジマネジメントを進めたいけれど、どれを選んだら良いのかわからないという人には、DocBaseがおすすめです。DocBaseは各情報をツール一つで一元管理できる他、操作も直感的にできるため、浸透・定着しやすいというメリットもあります。価格は完全無料ではないものの、一人あたり月額214円とリーズナブルな価格に設定されています。
現在導入実績は1万社以上にのぼっており、多くの方が継続的に利用しているツールです。ご興味がおありの場合は、ぜひ資料請求や無料お試しを利用し、DocBaseの導入をご検討ください。